コンパチヒーロー外伝
熱闘!バトルオリンピック
第1話:究極の祭典、開幕!!


こことは違うどこか。
様々なヒーローやライバル達が共存する夢の世界「コンパチワールド」
環境維持装置によって平和が守られたこの世界で、彼らは今日もスポーツを楽しんでいた。
そして今この時、ある一つの大きな出来事が、このコンパチワールドで繰り広げられようとしていた事を、我々は知らない・・・・


ワァァァァァァァァ・・・・・
広大なコンパチワールドに存在する惑星の一つ『アルティメット』に建設された超巨大な多目的ドーム『バンプレストアリーナ』。
本日ここからは、あふれんばかりの観客の声援が飛び交っていた。
その理由は今から2週間前。
突如現れた謎のプロモーター「恐竜戦車弐式」が発表した大々的なイベントの開催によるものであった。
「コンパチワールドの諸君、君達の日頃の好試合ぶりはいつも拝見している。なかなかの物だ・・・しかし、ここらでひとつ君達ヒーローとライバルによる全面スポーツ対決をやってみるというのはどうだろう? 古くから戦う者から、若さという力を持て余す新参者まで、あらゆる者が一堂に会して競い合うスポーツの祭典、そう!『バトルオリンピック』の開催だ!! 開催は本日より2週間後!志願者よ集え!自薦他薦は問わん!まだ見ぬ強豪よ、我々の前に姿を現すのだ!!」

そんな衝撃的な発表がされてから数日。
この話を聞きつけたコンパチワールド中の様々な面々は「僕も私も俺もあっしもミーも我輩も自分も」というような気合十分すぎる名乗りを次々と上げ、来る開催の日まで着々と準備を進めていた(ちなみに細かい説明は後から配布された資料で判明したそうな)。
そして、今日がその当日!!

『・・・全世界1億5千万人のコンパチヒーローファンのみなさんこんにちは。ここ、満員御礼のバンプレストアリーナでは、今まさに今世紀最大の祭典の幕が切って落とされようとしております! 勝つのはヒーローなのか、それともライバルなのか?・・・申し遅れました、私は今大会のメインアナウンサーを務めさせていただきます、おなじみバンプレキッドでございます。そして・・・』
『解説は俺、グレートかみなりもんだ、よろしくな』
『そしてさらにゲスト解説者として、今大会のプロモーターを務める謎が謎を呼ぶ人物、恐竜戦車弐式さんにお越しいただきました。よろしくお願いします』
『うむ、よろしく頼むぞ』
まあ謎の人物とは言うものの、実際は胴体の所に「弐式」と書かれている恐竜戦車そっくりの人物だったのだが。
『さて弐式さん、単刀直入にお聞きしますが、今大会を主催した理由と言うのは?』
『ふふふ、それはな・・・』
『それは・・・・・・』
『・・・・・って、第1話から言える訳ないだろうが、秘密だ秘密』
ズルッ!
バンプレキッドとグレートかみなりもんは、仲良く実況席から転げ落ちた。
『・・・・失礼いたしました。さて時間も近づいてまいりましたが、いよいよ今大会の開会式が始まろうとしております!!』
『おお、まずは両チームの入場行進からだったな』

所変わって、アリーナの第7ゲート内部。
そこでは一堂に会したヒーローとライバル達が、入場開始の合図を今か今かと待っていた。
「ついにこの日が来たな」
「ああ、この日のために続けてきた特訓の成果、今こそ見せてやるぜ」
「張り切るのはいいが、空回りしないように気をつけろよ」
「ハハハ、まったくだぜ」
ヒーローチームのガンダムF91・仮面ライダーブラックRX・ウルトラマングレート・ゴジラといった中核メンバー達は、そんな掛け合いをしながら出番を待っていた。
「やっぱり先輩達は張り切っているな、僕達も負けないように頑張らないと」
「確かに、俺達が先輩達の足を引っ張ってしまったら決まる所も決まらないしな」
「そうだな。それにこんな大イベントめったにないし、俺達も観客のみんなの声援に答えないといけないしな」
後方に控えるフリーダムガンダム・ウルトラマンコスモス・仮面ライダーブレイドといった新メンバー達は、先輩メンバー達の気合を感じ取って同じく闘志を燃やしていた。
「フフフ、張り切っているようだが、今回は俺達が勝利の雄たけびを上げさせてもらうぜ」
「この大会はある意味俺達ヒーローとライバルの事実上の決着をつけるにふさわしい舞台だ。この大会に勝利した方が、このコンパチワールドの覇権を担うと言っても」
「決して過言ではないという事だな」
「・・・お前ら、いつの間に話がそんなに膨れ上がったんだ?(汗)」
打倒ヒーローチームを目標に同じく闘志を燃やすライバルチームの中核メンバー、ビギナ・ギナ、シャドームーン、ゴーデスといった面々に、脇にいたキングギドラは冷静にツッコミを入れた(笑)
「・・・フッ、先輩方には悪いがこの大会、俺達が変わって目立たせてもらうぜ」
「その通り、いつの時代も先端には俺達ニューメンバーがいるものだ、古参連中の出る幕ではない」
「だが露骨なスタンドプレイは避けた方がいい、そんな事でチームに不協和音を生じさせては勝てるものも勝てなくなるからな」
同じように後方に控えていたプロヴィデンスガンダム・カオスウルトラマンカラミティ・アルビノジョーカー達は、そんな腹の黒い思案を巡らせながら笑みを浮かべていた。

そんなこんなで、いよいよ時間は開会時刻ジャスト。
『みなさんお待たせいたしました、ただ今より選手入場です!!』
ゴゥゥゥゥゥン・・・・
ザッ、ザッ、ザッ、ザッ・・・・
バンプレキッドのアナウンスと共に第7ゲートが開き、光の向こうから多数の影が歩みを進め始めた。
それと同時に、どこかで聞いたような入場音楽がアリーナに流れた。
『さあ、まずはヒーローチームの入場です。さて最初に顔を出すのは・・・おっと、このテーマ曲は「翔べ!ガンダム」です! まずはガンダム族の面々がアリーナに姿を現しました!!』
プラカードを手にしたRX−78ガンダムを先頭に、Zガンダム・ZZガンダム・νガンダムなど、ガンダム族のメンバーが行進を始めてきた。
さすがにヒーローの中でも数が多いだけあって長い列が続く。
『しかしガンダムも増えたもんだな、天使とか死神とかピエロとかマントとか龍とか』
『って、それ全部ウイングチームだろうに・・・』
恐竜戦車弐式のコメントに、グレートかみなりもんは律儀に突っ込んだ。
そして最後尾のインパルスガンダム達が現れて数秒後、新たなチームが姿を現した。
『さて次のチームは・・・おっと今度は「ウルトラマンの歌」です! 今度はウルトラ族の入場が始まりました!!』
赤と銀のカラーがまぶしいウルトラ族(一部違うものもいるが)が、初代ウルトラマンを先頭に入場してきた。
ウルトラセブンの後方にはウインダム・ミクラス・アギラ・セブンガーらカプセル怪獣が控えており、ガイアやコスモスなどの後方にはピグモンやカネゴン、リドリアスやモグルドンを筆頭に善良な怪獣達がズラリと勢揃いしている。
彼らは今回サポーターとしてヒーロー側のウルトラ族の仲間に加わっているのだ。
「それにしても、僕ら本当にこっちのチームに加わってよかったのかなぁ?」
「今さら何言ってんだ、せっかくコスモス達がOKをくれたんだから、そいつを裏切ったら酷ってもんだぜ」
「ソウデスヨ、全体的ニ見テモライバルチームノ方ガ多インデスカラ、コレクライノハンデハ貰ワナイト」
不安げに答えるリドリアスの言葉に、後ろに控えるボルギルスとイゴマスはなだめるように答えた。
彼らも環境維持装置の有無以前に本来は争いを好む性格ではないので、善良な怪獣達の筆頭に位置するミズノエノリュウなどの呼びかけで加わる者もいれば自ら志願して参加する者まで様々であった。
「・・・新参者のあやつら、怪獣族の分際でウルトラ族に味方しおってからに・・・」
「放っておけ、例え何人増えようと最後に勝敗を分けるのはチームワークだ。統率の取れぬ連中に勝利の女神は微笑まん」
リドリアス達を憎憎しげに見つめるテンペラー星人に、横からマグマ星人がサーベルを磨きつつ、つぶやくように言った。
その間にウルトラ族の入場も終わり、次にアリーナ内に流れてきたのは・・・
『さて続いての曲は「レッツゴーライダーキック!」です! ライダー族の入場が始まりました!!』
仮面ライダー1号を先頭に、ライダー族の面々が歩みを進めてきた。
『仮面ライダー族も増えたなぁ、データによるとフォームチェンジも加えればウルトラ族の数を軽く超えたらしいぞ』
『反面、仮面ライダーとは言えぬような連中も増えたがな』
解説者2人の言葉どおり、最近はライダーらしからぬ妙な面構えをした者やライダー族とは思えぬような悪の心を持つ者も多く、先輩ライダー達も仲間が増えた反面、複雑な心境に駆られていたという。
と、行進が進む中、ゲートから一つの影が会場に走りこんできた。
ガシャンガシャンガシャンガシャン!!
「スカイライダーさ〜〜〜ん、すんませ〜〜ん、遅れましたわ〜〜〜っ(汗)」
その影の正体は、まるでマジンガー族のボスボロットのような寸胴な体系をしており、背中には「日本一がんがんじい」と書かれた旗を背負った鎧兜の男であった。
「遅いぞ、がんがんじい!!」
「ハァハァ、すんません、こんな大事な日にあろうことか寝過ごしてもうたわ、日本一のヒーローがんがんじい、一生の不覚や〜〜っ」
彼の名は「がんがんじい」。日本一のヒーローを自称するスカイライダーの相棒(らしい)で、気は優しくて力持ちなキレンジャータイプの人物なのだ。
彼がわからない方はスカイライダーのビデオを参照である。
「スカイライダー先輩、何ですかこの人?」
見知らぬ人物に、仮面ライダーアギトはスカイライダーに質問をぶつけた。
「ああ、こいつはがんがんじいと言って、一応俺の相棒なんだ。悪い奴ではないから仲良くしてやってくれよな」
「♪ガンガガンガガンガラガンガ、ガンガガンガガーーーン!! 後輩の諸君、お初にお目にかかるわ。ワイこそが日本一のヒーロー、その名も高いがんがんじい様や!!」
自らのテーマソング「がんがんマーチ」を歌いつつ、がんがんじいは名乗りを上げた。
「に、日本一って・・・ここコンパチワールドなんですが・・・(汗)」
「にしても変な格好しやがって、アホかこいつ?」
困惑するアギトの横で、ファイズが嫌な物でも見る目で悪態をつく。
「ああ?なんやこの目がデカいメカメカした生意気な若造は!?ホンマに誇り高いライダーの仲間かいな?」
「何だとこのオッサン、やる気か?」
「誇り高いだなんて・・・いやだなぁ、そんなたいしたもんじゃないですよ?」
聞かれてもいないのにアギトが勝手に答えた。
「あの先輩達・・・・後ろがつかえてるんで早くお願いできますか?」
後方にいる仮面ライダーレンゲルは、おそるおそるスカイライダー達に言った。
「ああ、すまんなレンゲル。ほら2人とも、早く行くぞ」
スカイライダーに諭され、残りのメンバー達も入場行進を再会した(とはいえがんがんじいとファイズは睨みあったままだが)

「・・・我々の出番はまだか?」
「今ちょうどマジンガー族の入場が始まったから、次が戦隊族、その次がメタルヒーロー族、そしてその次がいよいよ俺達の番だな」
「そうせくな、先輩方は俺達より圧倒的に数が多いからな、長引くのは仕方が無い」
ゲート内でそんな会話をしていたのは、キカイダー・イナズマン・怪傑ズバットといった位置的には仮面ライダー達の舎弟に当たる石森ヒーロー族の面々だった。
ちなみに彼らも「スーパーヒーロー作戦」シリーズに登場しているので、一応れっきとしたコンパチヒーローの一員である。
「ズバットの言う通り、肝心なのは試合の方だからな。普段日の目が当たらない俺達が活躍できるこのチャンス、逃すわけにはいかない!」
「そう、そしてこの機会に僕らの名をコンパチワールドに大々的に売り込めば、SDヒーロー作品の次回作に出演も夢じゃないです!」
キカイダー01とロボット刑事Kは、そんな事を言いつつ期待に胸を膨らませていた。
「・・・随分と意気込んでいるようだな」
そんな中、ゲートの向こうから何者かの声が突如響き、同時に口笛が聞こえてきた。
「この口笛は・・・」
「ハカイダーか!?」
キカイダーの声と同時に、闇の中から頭部に脳髄を覗かせる漆黒のボディのロボットが現れた。
キカイダーの永遠のライバル、破壊の使徒・ハカイダーである。
「何の用だ?」
「フッ、つれないな・・・俺は別に敵情視察とかに来た訳じゃない、これから互いに戦う者にエールを送りに来ただけだ」
不敵な笑みを浮かべ、ハカイダーはキカイダー達に向き直った。
「本来ならこんなくだらん遊戯で身体能力を競い合うほど俺は暇じゃないが、仲間内の問題もあるのでな。だがやるからには我々が勝たせてもらう。それが流儀だ」
「望む所だ、その挑戦受けて経つぜ」
「ああ、悔いの残らない戦いをしよう」
「ふふ・・・お約束な連中だ・・・・まあいい、ともかく俺はいかなる勝負も手加減はせん、覚悟しておけ。そして・・・」
ジャキッ!!
ハカイダーはいきなり膝下のハカイダーショットを抜き、キカイダーの額に突きつけた。
「キカイダーよ、お前との決着もいずれつけてくれるわ・・・環境維持装置などという馬鹿げた物さえなければ、俺はいつでも貴様を破壊するために現れる・・・忘れるな!!」
ハカイダーショットをホルスターに戻し、ハカイダーはゲートの奥へと姿を消した。
「ハカイダー・・・やはり恐ろしい奴を敵に回してしまったようだな・・・」
「ああ、だが奴は卑怯な策を使うような卑劣な奴じゃない、彼が戦いを挑んできたら、俺はそれを正々堂々と受けるつもりだ」
キカイダーはハカイダーの消えたゲートの奥を見つめながら、そうつぶやいた。

そんなこんなでヒーローチームの入場が終わり、続いてライバルチームの入場が開始された。
まずは「颯爽たるシャア」をテーマに、モビルスーツ族が入場してきた。
「へっへっへっ、いるぜいるぜぇ、右にも左にもガンダム、ガンダム、ガンダム・・・ガンダムだらけだぜぇ!!」
その中で一人怪しげな気を吐く者もいた。
ドリルのような棍棒を背負った奇妙な形状のモビルスーツ族・イーゲルは、ガンダムチームを見つめながら凶悪な目つきで彼らを睨みつけていた。
「特にあの白い翼のガンダム! 俺はあいつに昔ひでぇ目に遭わされたんだぁ!!見てやがれぇ、この俺が直々に引導を渡してやらぁ〜〜〜!!」
「フフフ・・・・我が弟ターンAよ、この偉大なる兄の活躍をしかとこの目で見るがいい、今の私は・・・絶好調であ〜〜〜〜る!!」
「・・・うざ〜い・・・・(虚ろな目)」
「フハハハハ、久しぶりに俺の出番が来たぜ、俺様の黄金の右を食らいたいのはどこのどいつだ?」
「まったく、モビルスーツ族も無粋な連中が増えたものだね、兄さん」
「そのようだなアシュタロン、やはりここは我々が観客達に真のニュータイプとしての実力を見せ付けぬといかんようだ」
なんて事を口走る連中もいたが、この際無視しよう(笑)
その間にもテーマソングは「ウルトラQ」に切り替わり、怪獣族の面々も入場を始めた。
代表として選ばれたメフィラス星人を筆頭に怪獣や宇宙人達が行進を続け、列が最後尾に差し掛かった・・・と、その時である。
『おや?怪獣族の遥か後方で遅れを取る選手が数名おります、一体誰でしょうか?』
「「「何っ?」」」
バンプレキッドの声を聞き、多数の怪獣達は後ろを振り返った。
するとそこには、ナメゴンやスカイドンといった動きの鈍重な怪獣達の姿があった。
どうやら行進している内にいつの間にか遅れを取ってしまったらしい。
さらによく見ると空中にはバルンガがプカプカと浮かび、ブルトンはブルブル震えながらその場でうごめき、ガバドンに至ってはゲートの前で居眠りをする始末であった。
「ええい、世話が焼ける!!(汗)」
「というか、あいつらをまともに行進させる事態無理があったような気がするがな・・・」
観客の失笑を買いつつ、遅れていた面々はレッドキングやゴモラなどの力自慢の面々に背負われながらなんとか所定の場所まで進んだのだった。
そしてテーマ曲は知る人ぞ知る悪の歌「オー!ショッカー!!」に変わり、怪人族の一団が現れた。
各組織の幹部を先頭に、怪人や戦闘員達は一糸乱れぬ動きで行進を続けていた。
このあたりは流石と言うべきであろうか。
だがその後方では・・・
「おい!後方の連中がばらけているぞ!というかもはや行進になっとらん!!(怒)」
怒り心頭のガラガランダの目線の先には、てんで好き勝手バラバラに動き回るミラーワールドのモンスターやアンデッド(上級除く)の面々がいた。
一応軍団としての統率者がいるにはいるグロンギやアンノウン、オルフェノクの面々はまだまともな方である。
「おい!誰かあいつらをなんとかせんか!!」
「貴様に言われずともわかっておる」
「お前らはとっとと行進を続けろ、後は我々がフォローする」
仮面ライダーオーディンとアルビノジョーカーは、イカデビルを馬鹿にしたような目つきで見るとモンスター達を指揮するために歩いていった。
「くっ・・・最近の怪人族の連中はよくわからん奴らが多いわ!!」
かつてのように組織を編成するものも少ない現状を、イカデビルは嘆きながら歩き続けた。

と、こんな調子で残るライバルチームの面々も全て入場を終え、バンプレストアリーナの大半を埋め尽くすほどの人数が集まったグラウンドでは、各チームが二手に分かれていた。
『さて、これですべての選手の入場が終了しましたね』
『・・・改めてみるとこの数は壮観だな・・・(感心)』
『おっと、ここで情報が入りました。もうすぐこのアリーナに今大会の聖火ランナーが入場するとの事です!!』
『聖火ランナー?』
タタタタタタッ・・・
グレートかみなりもんが首を傾げていると、アリーナのメインゲートの向こうから一人の人影の足音が聞こえてきた。
『あーっと、今入ってきました! 今大会の聖火ランナー、仮面ライダー龍騎です!!』
ワァァァァァァァァァァ!!!
「やっと来たか!!」
「待ってたぜ!!」
先輩ライダーや観客の歓声が響く中、龍騎はトーチを片手にアリーナへと入ってきた。
「ッしゃあ!!や〜っと着いたぜぇ!!」
そして龍騎は額の汗を拭いつつグラウンドを一周し、アリーナの高台にある聖火台の真下に歩いてきた。
『さあ、いよいよ聖火台に炎が灯されます!!』
『っておいちょっと待て、よく見りゃこの聖火台階段が無いぞ!?』
『ご心配なく、その辺はちゃんと考えて人選をしたのだ』
グレートかみなりもんの疑問に、恐竜戦車弐式は苦も無く答えた。
「行くぜぇ!」
『アドベント』
グォォォォォォォォォ!!
「よっと!」
龍騎はドラグレッダーを呼び出すとその背中に飛び乗り、ドラグレッダーは聖火台めがけて飛び立った。
「それじゃお待ちかね、聖火投入だぜ!!」
『ストライクベント』
ボォォッ!!
龍騎は右手にドラグクローを装着すると、おもむろにその口に聖火を移した。
『ま、まさか・・・』
グレートかみなりもんもようやくその意図に気がついた。
「はぁぁぁぁぁぁぁ、そりゃーーーーーーーーーーーーーーっ!!」
ゴォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!!
ドラグクローから繰り出された昇竜突破、いや聖火は、一直線に聖火台の中へと吸い込まれていった。
ボォォォォォォォォォォォォ!!!!
そして次の瞬間、聖火台から聖火が燃え上がったのだ。
『ご覧ください、たった今聖火台に聖火が灯されました! 今ここに、バトルオリンピックの幕が切って落とされたのです!!』
パチパチパチパチパチパチパチパチ・・・・・
会場からは惜しみない拍手が送られ、龍騎は観客に手を振りながら仲間達の下へと降りていった。
『ちなみにこの聖火はウルトラ族のご協力によりウルトラタワーからの直送なのでめったな事では消えません、ご心配なく』

聖火も無事灯り、続いて会場では選手宣誓が行われようとしていた。
用意された壇上の上に各チームの代表として選ばれた2名が登り、そして口を開いた。
「宣誓!我々ヒーロー・ライバル一同は、コンパチヒーロー精神にのっとり!!」
「正々堂々、互いの力をぶつけ合い、戦う事を誓います!!」
「ヒーローチーム代表、仮面ライダーV3!!」
「同じくライバルチーム代表、シャドームーン!!」
ワァァァァァァァァァァァァ!!
宣誓を終えた2人が壇上から降りた後、新たな2名が壇上に登った。
「ひとーつ、ひいきは絶対せずに! ふたーつ、不正は見逃さず! みっつ、見事にジャッジする! 審判ロボ・キャプテントンボーグただ今参上!! 今大会の全種目は、恐竜戦車弐式氏により総合審判長に任命された私が預かる!!」
「同じく副審判長を勤めさせてもらうファイターロアです。よろしくお願いします!」
『さて、開会式の最後は、今大会の主催者である恐竜戦車弐式さんからのエールで締めくくられます』
『あっ、あの男いつの間にグラウンドへ!?』
グレートかみなりもんが驚く中、いつの間にかグラウンドへワープしていた恐竜戦車弐式は、壇上へと登ってマイクを手にした。
『あー、あー、本日は晴天なり、ただ今マイクのテスト中。 さて諸君、今回は私の企画した今大会に参加していただき、真にありがたく思う。各チームの選手も、お互いの力と技の風車を回し・・・もとい力と技をぶつけ合い、悔いの無い戦いをしてもらいたい。それではあんまり長いのも嫌いなので・・・諸君、砕け散るまで戦え!!』
ワァァァァァァァァァァ!!
「・・・って、どっかで聞いたような台詞だな、おい・・・(汗)」
歓声の中、胡散臭そうな表情で腕を組むメカゴジラ(機龍)であった。

開会式を終え、第1種目まで選手がそれぞれの陣地で待機している間、恐竜戦車弐式は彼専用の部屋でくつろいでいた。
「いやぁ、開会式も無事に終わってよかったよかった。この調子で何事も無く進んでくれれば嬉しいんだがなぁ」
「フッ・・・俺としてもそれを望んでるぜ」
恐竜戦車弐式のそばでそうつぶやいたのは、金色を基調としたアーマーを身にまとい、特殊なタイプのライフルを手にしたクールな雰囲気の男だった。
彼の名はマークハンター。コンパチワールドでは知る人ぞ知るさすらいの傭兵ヒーローである(SFCソフト『ガイアセイバー』登場)。
「しかし、せっかく身辺警護のために高い金払ってお前を雇ったというのに、このまま何も無かったらそれはそれで困るような気がするなぁ・・・ローン効かないし」
「それじゃあんたはヒーローやライバルの戦いに巻き込まれたいっていうのか?」
「滅相もございません(汗)」
そんな会話をしつつ、恐竜戦車弐式は葉巻を手にマークハンターに向き直った。
「冗談はさておき・・・この大会はある意味危険をはらんでいるといっても過言ではないかも知れんな・・・」
「どういう事だ?」
マークハンターは彼の言葉の意図が分からず聞き返した。
「お前も知っているだろう、この大会はコンパチワールドのあらゆる場所に対して宣伝を行った。それも誰も知らない宇宙の果てまでな・・・・それゆえ、本当に純粋にスポーツで勝負を決しようと思っている者だけが集まってくるとは限らん。ヒーローやライバルに紛れて、どんな輩がこの大会に参加しているかわからんからな・・・」
やや神妙な面持ちで恐竜戦車弐式は答えた。
マークハンターもゴーグルの下では険しい表情が見え隠れしている。
「もし本当に何かあったとしたら・・・その時はお前の出番だ」
「・・・・・了解した。この会場の連中とあんたの命、俺が預かるぜ」
「・・・頼んだぞ」
かくして、世紀の祭典バトルオリンピックは、見えない何かを含みつつ、盛大に幕を開けたのであった・・・・・


<あとがきのようなもの>
・・・という訳で、ついに始まってしまいました!!
大それたプロローグを書いてしまいましたが、果たしてどんなストーリーが展開されるのか!?
それは私にもさっぱりです!!(←いばるな!!)
とりあえず、コンパチヒーローファンの皆さんの期待に答えられるよう話を書いていこうと努力しますので、できれば長い目で見守ってやってください(汗)
それでは、また次回お会いしましょう!





ども、むらまさマルです。素敵小説ありがとうございます!
対抗心むき出しなライバル達に冷静にツッコミを入れるキングギドラが可愛かったり
ウルトラ族の怪獣を受け入れる懐の広さは流石!ファイズの口の悪さも再現!
モビルスーツ族にはこれまた濃いメンツ揃っていて・・・(笑)
各種族の行進の様子が個性的、いい味を出してくれています!
最後のマークハンターの登場には驚きました、相変わらずの金は高くローン不可なところが心憎い。
いやいやぁ、私なんかよりコンパチヒーローと原作を解かってらっしゃる!
各原作ネタが絡んで楽しく読ませて貰いました♪
次は一体どんな波乱を巻き起こすか、はたまたドタバタ劇をやらかすか期待しています!
でも一番衝撃なのは
うちのウィルスセキリティが添付ファイル(doc)小説をウィルスの可能性があると、勘違いして削除されかけました(あぶねぇあぶねぇ!)