アシュクリーナ 「表」の世界 昼間

東京都新宿区 地下三階 非合法情報屋

 

眼鏡の優男「「甲斐」、これで彼女の戸籍を頼む」

 

多少クセ毛のある彼はフードを被った女性に視線を向ける。

その時にもう一人、部屋に入ってきた。

 

ツインテールの女性「ん?お客さん」

 

フードの少女「あ、失礼します」

 

鋭い眼の男「待ってくれ「乱空」、分かった。しかしお前がここに来るとはな」

 

眼鏡の優男「こんな仕事をしててお互い様さ、打ち合わせの日に来よう」

 

フードの少女「あの、二人はお知り合いで?」

 

甲斐「まあ夢を持っていた子供の頃のな」

 

眼鏡の優男「君からそんな言葉が出るか、悪いが俺は暗い所は苦手だ。夢にも目標にも手が届いてきたし、いい女もこの通りだしな」

 

ガスッ!!グァ!

 

フードの少女「娘に恥ずかしい事言ってないで早く行きますよ」

 

甲斐「娘?」

 

眼鏡の優男「義理のね・・・て、照れちゃってかわいいな、グフ・・・・。

仕事があるからこれで、社長に無理言って多少待たしてもらっている」

 

男が部屋を出ようとドアノブに手をかけると一度振り返る。

 

眼鏡の優男「ここに柊 前(ひいらぎ ぜん)という立派な首飾りを持った「王子様」が来たよね、君から見て彼はどうだったかい」

 

フードの少女「ちょっと!?」

 

甲斐「知り合いか、不思議な子だったよ。彼もその子や乱空と同じ客だったな」

 

眼鏡の優男「今度、初めて会うことになる、それと「アレ」は世界に二つとない貴重な物だ、精製法は製作者と共に失われ、現在(いま)作るのは不可能な代物さ」

 

乱空「そんな大事な物を?」

 

眼鏡の優男「過去を捨てるには一番だ、ゼンが何者か示す唯一の物だからな」

 

甲斐「成程な、しかしもう闇ルートでさまよっているだろう」

 

眼鏡の優男「他人の過去を欲しがりはしない、少し彼と顔合わせする前に人の感想を聞いただけさ」

 

フードの少女「行きますよ」

 

優男はもう一度後ろを振り向く。

 

眼鏡の優男「つまらん決まりの中でも良い上司と部下に恵まれれば、楽しい。それと暗い所は苦手と言ったが」

 

男はニヤリと笑う。

 

眼鏡の優男「心強い友がいれば平気なのだよ、素晴らしい男がな」

 

甲斐「・・・・・・やれやれ」

 

東京都新宿区 大通り

 

フードの少女「余計な事は喋らないで下さい」

 

眼鏡の優男「・・・・「柊 前」どう思う?」

 

フードの少女「私は彼より「あの男」が気になりますが」

 

眼鏡の優男「かなりの技術を持った男だ、せっかく拾ったから使ってみるさ」

 

フードの少女「「超時空転移装置」が狙いでしょう?」

 

眼鏡の優男「彼のシステムは不安定な欠陥だらけだ。もう、異世界の地位どころじゃなくなっているだろうさ」

 

今更そんな物に興味はないだろうが。男は振り返ると少女のほうを見て笑った。

 

眼鏡の優男「だが、本気でやる事を見せるのさ、僕らも彼らもね」

 

フードの少女(子供や女にこだわっていて何になるのだか)

 

デジタルワールド 何処かの街

 

マントのデジモン「選ばれし子供達はここと外の世界を幾度も救った、

されど彼ら忘れられぬ限り戦い、思い出さればまた立ち上がるだろう」

 

鳥デジモン「ハグレモンさん、皆の準備できました」

 

ハグレモン「おお、すぐ行こう」

 

このデジモンはワールドの記録を録るために作られたデータデジモン、今の彼は使命が終った今でも旅を続ける。

旅の途中で起きる予測の出来ない出来事、出会いと別れ・・・・、自分で見つけた楽しさである、経験を「旅日記」に書くという事を、

製作者が望むように成せという言葉で、名を「ハグレモン」とされた彼は今日も行く、自分と世界の記録を持って仲間とともに・・・・・・。

 

さて、君達は物語の始まり「デジタルワールド」の様子が気になる筈だ。

今から見せよう、もう一つの冒険と新たな「選ばれし子供」、彼らの始まりと最初の戦いを・・・・・・。

 


冒険編 第一話/2

「ネット・オブ・ワールド」


 

城の廃墟

 

戦士「ぐはあ!」

 

暗殺者「「星流」、その首もらったぁ!」

 

そう叫ぶと男は少年姿の二つの短刀を持つ闘士に斬りかかった!

 

星流「甘い!」

 

ザシュ!

 

暗殺者「む・・・・無念」

 

冒険者「うわ、君やっぱり凄いよ!!」

 

星流「やめて下さい、まだ初めて数ヶ月の初心者ですよ」

 

冒険者「ぜひ、こっちのパーティに来てくれよ」

 

星流「いえ、目的地に向かう途中なので失礼します」

 

その時、冒険者連れの剣士が星流にこう告げた。

 

剣士「ふふ、人生少しは寄り道してもいいかもしれんぞ」

 

星流「あはは、僕の事買い被りすぎですよ、そんな止めなくても・・・・」

 

剣士音(オン)「・・・・「リアル」で何か探してみたらどうだね。普段しないような事でも手を伸ばして見るといい」

 

花見町 ある一軒家 二階部屋

 

子供「ふう、こうして続けるときついなぁ」

 

インターネットでオンラインゲームに手を出して見た。もうすぐ夏休みだからゆっくりできるがやめどきが難しい。

そんなパソコン好き小学生の名は「大輝(おおき)勇作(ゆうさく)」、ネットの世界で「星が流れる」と名乗る彼が、この物語の主人公である。

 

勇作「さて、そろそろやめるか」

 

ゲームからログアウトしてパソコンを消した。

 

でも僕の冒険は既に始まっていた、何気ない日常の中で・・・・

 

花町小学校 放課後 5−4教室

 

勇作「タロット占い?」

 

クラスメイトがそう話を持ちかけてきた。

 

佐次「友達から聞いたが女子に趣味でやっている子がいるんだってさ,

どうせ夏休みは暇だろ、登校日にいい機会だと思うぜ」

 

勇作「でもそういうのは興味ないしなぁ」

 

佐次「そういうな、聞いたら生き方変わったりするんじゃないか」

 

勇作「大袈裟・・・・まあ見てもらうか」

 

佐次「へへ、そう来なくちゃ」

 

何でだろう、あの音という剣士の言っていた事がやけに気になった。

 

4−3

 

魅花「この人、占ってもらいたいって?」

 

勇作「君か、占い得意って子は」

 

目の前にいる子は年上のような雰囲気で同じ年とは思い辛かった。

なんと言うか・・・・・一言で言えば「可愛い」

小学生の女の子は皆可愛いなんて考えがなくなりそうだ。

 

魅花「どうしたの?」

 

勇作「いや、何でもない」

 

佐次(まあこうなるだろうな、自覚してないのが更に反応してしまう(-_-;)

 

魅花「得意って訳じゃ、ただ暇つぶしに手を出しただけ」

 

勇作「どんな形でも、占ってくれればいいさ」

 

魅花「それじゃあ行くよ」

 

そう言うとシャッフルした六つのカードを星に形付くように、目の前に並べて見せていた。

 

勇作「大人になった僕はどんな生き方をしている」

 

魅花「結構、気が早いね」

 

そして真剣な顔でカードをめくり始める・・・・・。

 

魅花「それは・・・!「星」、希望、憧れね(微笑)」

 

それを聞いた勇作も真剣な顔つきになった。

 

勇作「それじゃもう一つ、それを手に入れるには?」

 

魅花「・・・・・・・「塔」の逆位置(沈黙)」

 

放課後 帰り道

 

勇作「必要な破壊・・・・ハ、小学生には難しいな」

 

佐次「そうそう、あの子難しい言葉とか好きなんだよ」

 

勇作「夏休みも近いな・・・・憧れ、か」

 

それから、何気ない日常が続いた。

 

勇作の家 自室

 

流れ星マークの私服とGパン姿で布団を敷いた床で横になる。

いつも通りの夜・・・・そう、いつも通りだった・・・・。

 

キュイイイイイン・・・・・

 

勇作「ん、パソコンの音?何で・・・・」

 

僕はパソコンを押していない、何で・・・・・?しかも、明らかに様子がおかしい。

何だ・・・・・・・?赤い光の画像に意味不明な文字や数字の並び、一体何が・・・・!?

 

勇作「うあ・・・・うわああああああッ!!」

 

目覚めよ闘士、己を解き放て!!

 

デジタルワールド ???

 

黒コートの少年「人間にはもう、必要不可欠なインターネット。

マスターハンドの協力で世界に客人を呼び出した。僕の言うとおり

立派な巣を作り、数を増やし、力を蓄え、歓迎しろ!「ゲータモン」

最強の敵は、「選ばれし子供達」はもうすぐやって来る!」

 

コートの男「・・・・なあ、なんで蟻にワニの名前をちなんでるんだ?」

 

黒コートの少年「顎だよ」

 

黒コートの男「アゴ?」

 

黒コートの少年「蟻の力は自分の体の50倍の物を持ち上げ、

コンクリートにもその気になれば簡単に穴を開けて家の中に入れる。

それに砂糖が好物なのが一般的だと思われるけど忘れていない?

他の虫をしとめて料理するのは、最も彼ららしいやり方だろ?

まあ顎なんて武器が使えるデジモン達には保険程度だけど」

 

黒コートの男「アリとアリゲーターのシャレとかも入ってたり?」

 

黒コートの少年「あっはっは、ゲームで似た名前の怪物がいたね」

 

赤コートの少女「子供・・・・(くす)

 

荒くれ者達の森

 

勇作「今のは・・・・ここ、僕の部屋じゃ、ないか」

 

後頭部を打ったらしく、手でさすりながら辺りの「森」を見回す。

 

勇作「服はそのままだし痛いのは夢じゃないな、くそッ!!」

 

状況を落ち着いて確認しようにも、把握すれば把握するほど混乱する。

パソコンから聞こえてきた声は・・・・闘士と言っていた。

闘士、僕がやっていたオンラインゲームの中とか言うのか?いや、事はそう単純じゃないっぽい。

 

・・・・・・「怖い」

 

素直に二文字が頭をよぎる。どうして僕が、誰に呼ばれたんだ?

そしてまた疑問が浮かぶ、・・・・呼ばれた?何でそう思ったんだろう?

人のいる場所を探そう、いや、人がいなくても安全そうな所に・・・・

 

ギチギチギチ・・・・・グワアアアアア!!

 

勇作「うわっあああああああ!?」

 

声「伏せろ!」

 

ガキィィィンッ!!

 

勇作「あ・・・・・・」

 

泣きそうな情けない顔で、僕は出会った・・・・・。

時代劇なんかで見るようなのとは違う日本刀を持った、僕よりも小さい、それでいて存在感のある不思議な生き物に・・・・・・。

 

ハグレモン「皆はその子を頼む」

 

鳥デジモン「合点だぜ、兄貴!!」

 

勇作「うおッ!?」

 

何かに捕まれて上の方に運ばれる。そこには大きな鳥に虫の生き物、他にも布を羽織った小柄な者達が囲んでいる。

 

ハグレモン「クワガーモンか、相変わらず血の気の多い連中だ」

 

クワガーモン「ギチギチギチ・・・・・・」

 

ガキィィィン!!

 

勇作「あ、有難う」

 

鳥デジモン「なに、まさかまた人間がこの世界に来るとはね」

 

勇作(・・・・また?)

 

その言葉に興味を持ちながらも顔を拭いて呼吸を整える。

 

クワガーモン「ギチギチギチィ・・・・・・!!」

 

ギィン!!

 

ハグレモン「硬・・・、思ったより手強いな」

 

甲殻に守られていない腹を狙おうとしたがこの個体は知能も俊敏さも高い。

長引けば体格差でハグレモンが不利なのは素人目でも分かってしまう。

 

勇作「ま、マズい!僕はいいから君達も・・・・」

 

幼虫デジモン「そういう選択肢もあるが・・・・」

 

鳥デジモン「こっちもヤバイです」

 

勇作「・・・・・え?」

 

チラッ。

 

野盗ウッドモン「フシュルルルルル!!」

 

木の枝が動いた、いや、こいつは擬態とかいうの!?

 

鳥デジモン「縄張りのど真ん中とは運のない所に倒れていたね」

 

幼虫デジモン「皆、散れぇ!」

 

タッタッタッタッ!

 

勇作「あれ?他のチビ達は・・・・」

 

鳥デジモン「その呼び方は待った。・・・・・えっと」

 

・・・・・・・・・・・。

 

鳥デジモン「もう捕まってます」

 

ズテ〜〜〜〜〜ン!!

 

デジモン達「「わぁ〜〜〜〜!」」

 

デジモンA「は、離せぇ!」

 

デジモンB「痛い痛い痛いって!」

 

デジモンC「ヘェェェルプミィィィィィィッ!!」

 

勇作「はやぁ!戦っている所見てないんだけど!?」

 

幼虫デジモン「捕まる瞬間まで周りに気づかれずに、どれだけあっさりやられとるんだお前らぁ!!」

 

デジモンB「そ、そんなこと言われてもアタタタタその縛り方きついって!!」

 

デジモンD「へ、変な所触るな!もうちょっと優しく・・・・・」

 

なんか悲鳴に突っ込みたい部分があるのを無視して絶句してしまった。

 

鳥デジモン「まあ急でしたからねぇ、僕もツタに絡まれましたし」

 

幼虫デジモン&勇作「「なに、自分達のピンチで他人事みたく語ってるんだぁ!!」」

 

ハグレモン「ぐうう!」

 

ギチギチと音を立て、クワガーモンはハグレモンを追い詰めていく。

 

勇作「!!」

 

このままやられてたまるか、何もできずに見ていてたまるか!!

そして僕の視界の隅に、大人の拳程の石が入った。

 

勇作「あれだ!」

 

子供が無我夢中で走る、異形に囲まれた中でのゴツゴツした山道を小さな足で。

 

幼虫デジモン「お、おい!?」

 

鳥デジモン「!(そうか)、カミカゼェ!!」

 

ブチブチブチィ!!

 

野盗ウッドモン「シャアアアアア!?」

 

フシュルルルルル!!

 

勇作「うわっと、捕まってたまるかぁ!」

 

あれにさえ届けば・・・・!

 

幼虫デジモン「屈め!」

 

幼虫デジモンが出した糸でウッドモンの伸ばした触手を止める。

 

幼虫デジモン「一体何を・・・・」

 

鳥デジモン「あれなら・・・・イケるかもしれない!」

 

そして滑り込むように・・・・いや、転んだ拍子に石を掴み取った。

 

勇作「行けぇー!!」

 

下のクワガーモンに目掛けて思い切り投げた。

 

幼虫デジモン「駄目だ、クワガーモンにあんな・・・・・・」

 

鳥デジモン「いや、あれでいい!」

 

クワガーモンの額に当たり、上の方に注意が向く。

 

そして・・・、僅かに腹部が見えた。

 

ハグレモン「「真空零式」!!」

 

ドオォォォォォォンッ!!

 

クワガーモン「ギィィィィィィィ!?」

 

「ヒュッ」という風切音がしたと思った時、

 

ザシュ!、ズバ!、ドシャ!!

 

空高く跳躍して、力強い一閃でウッドモン達の枝を切り伏せた。

 

勇作「・・・・・やった」

 

鳥デジモン「お見事でした」

 

幼虫デジモン「まさか、あんなのを狙っていたのか?」

 

ハグレモン「畳み掛けろ!!」

 

僕は未だ状況を理解できず、それでも嬉しくて、眠くなった・・・・・。

 

デジモン「お、おい!?」

 

鳥のデジモン「今はこの場を収めましょう」

 

やった・・・・僕は、でも・・・・「何だっけ?」

 

魅花(塔の逆位置は、必要な破壊・・・・目指す物の為に、何かを犠牲にする)

 

???

 

どこかの研究室のような一室。ビーカーや何かの標本が置かれ、薬臭いその場に白い布で姿を覆う、ガンダムの眼が見え隠れするMS。

ニヤついた少年を初めとしたコートを着た者達と、西部劇のような格好の人より一回りは小さな影。

 

黒コートの少年「へへ、頼んでいた服が来たか♪」

 

ハンタモン「青い色のフード付に・・・・子供にしてはいい格好選んだな」

 

白い布のMS「それは、デジモンカイザーのマスクだな」

 

黒コートの少年「ふふ、似合うかな」

 

その時、長身の男と少年が歩いてきた。二人共、奇妙な姿だ。

まず、長身の男は長い緑色の髪に、青いマントで体を包んでいる。

それだけなら何でもないが、頭に二本の大きな角が生えていた。

次に少年の方は頭にターバンを巻いている。目つきの悪さは、十二〜十四歳程の容姿にまるで合わない。

髪にビーズのような飾りを所々付けている。そして耳の先が尖っていた。

 

白い布のMS「お前達か、どうだ異世界の感想は?」

 

角の男「なかなか良い感じだ、私を呼んだ事を賞賛してやろう」

 

ターバンの少年「そんな事より、本当にあいつらも来るのだろうな」

 

黒コートの少年「そう言わない、待ち人を焦がれているのは君だけじゃあない」

 

その時、女の子が角の男に呟いた。

 

赤コートの少女「「サタン」、「カーくん」人形・・・・」

 

サタン「ああ、はい☆これ」

 

男は何か、「額に赤い物体が付いた黄色いウサギのような生き物」の「かわいい」ぬいぐるみを取り出した。

 

白い布のMS「すまんな」

 

ターバンの少年「は、そんなので良く「魔界のプリンス」が名乗れたな」

 

黒コートの少年「「レイド」、漫画最後の出番。単行本15巻の第141章」

 

グッサァッ!!

 

彼の詳しい事はまた後ほど話そう。

どうしても気になる人はスクウェア・エニックスの漫画「魔法陣グルグル」を見よう。新連載「舞勇伝キタキタ」も4・6・7・9♪

 

レイド「いらんわ、そんな宣伝!」

 

サタン「私の活躍はセガのゲーム「ぷよぷよ」で・・・・・・」

 

ハンタモン「お前はもう黙っていろ(蹴)」

 

黒コートの少年「プリンスっていえば、ゼンはどうしたの?」

 

ハンタモンは難しい顔をして答える。

 

ハンタモン「奴らは、多少の顔見世があっても協力はないさ」

 

白い布のMS「デーモンに従う奴や、手を組む連中ばかりではない、だが異世界の存在を知った、或いは元より知る立場ならこの騒動を見過ごさないさ」

 

赤コートの少女「デーモンも私達と同じ、手に負えない怪物や人間は呼ばない」

 

ハンタモン「傍観だけなら話をややこしくしないで助かるのだがな」

 

はぐれ者達のテント

 

勇作「う、うう・・・・」

 

鳥デジモン「あ、目が覚めました」

 

幼虫デジモン「大丈夫か?随分眠っていたが」

 

勇作「・・・・・・えっと」

 

マントをとると狼の様な顔が見れる。デジモンを初めて見る勇作には分からないが

彼らの中でも獣に近いガルルモンの体型を多少スマートにしたような感じである。

毛皮は黒みのかかった茶色である。意外にも愛着が残る顔で普段とはイメージが違う

 

ハグレモンはテントに入ると事態を飲み込めていない様子の少年の前に座る。

 

ハグレモン「まあ、混乱するのも無理はない。君をとって食おうなどとはしないさ」

 

幼虫デジモン「助けるつもりが逆に助けられたからな」

 

勇作「・・・・こ、ここは?」

 

ハグレモン「その前に悪いが自己紹介をしよう、私の名はハグレモンだ、君の名前は何という?」

 

大事な話をする時は「お互いの何かを知ってから」、ハグレモンにとっては大事な事であり、当たり前の事だった。

 

そう、「それだけの事」だったのが、

 

少年「僕の名前・・・・・名前?、何・・・・はれ?(呆然)」

 

まさか、こんな結果になろうとは・・・。

 

少年「僕、何処にいたんだっけ?名前・・・僕は何て・・・・誰だ?」

 

過去からの主人公達が闇の者に導かれた少し後、ここにまた決まった。

はぐれ者に出会い、望まずも常識(せかい)から外れた彼を非常識(いせかい)はどう受け入れるのか。彼はどう受け入れるのか・・・・・・。

 


後書きタイム

 

作者「というわけで冒険編スタートだ」

 

ハグレモン「こっちは少ないな、オリジナルキャラクター」

 

コスモス「主人公役が二人だったからな、視点が狭いんだ」

 

登場人物紹介

 

ハグレモン(4)

 

獣型 データ種 成長期

かってある企業によって造られた探査用デジモン。数年の月日を経て目的を終えたが、その最後に直面した「選ばれし子供達」の事件と様々なデジモン達との出会いにより、自身が目標を見つけたいと感じていた。

企業はこれを一種の「バグ」と考え、長い議論の結果、彼を自由にする事を決める。

製作者から新たな名前と戦闘能力を与えられるがあくまで製作目的とは異なる為、護身程度だった。

それでも誕生初期からの経験と修行をいかして伸びてゆく。

最初は太刀の形をしていただけの「流刃」もそれに呼応して様々な力を発揮した。

今は「ハグレモン」になる前からの知り合いや、旅の途中で出会ったデジモン達と共に放浪している。現在は「別次元」に関する研究を行っている。これが世界の異変にいち早く気づいた理由である。

実は甘いものが大好物であり、キャンディーを貯め買いしている。

 

コスモス「他の人達は紹介するにはまだ本編のほうで明かしたい事があるので待ってくれ」

 

作者のちょっとしたお話

 

作者「僕は現在(いま)、電撃文庫作品「とある魔術の禁書目録」シリーズ、

ゲーム作品「電撃学園RPG Cross of DenuS」に夢中になっています。ゲームは既に全ての敵を倒しましたがまだやっております」

 

コスモス「電撃文庫15周年記念作品か、そういえば今年は良く色んな周年記念が多いな」

 

作者「いや、プレミアパックの人形が良く出来ていてさ。それに特典小説がこれがまた面白いくて、プレミア買う為と他のゲームで予約できずにオークションで落としたけど、もちろんゲーム自体もバッチリ!」

 

コスモス「公式サイトのアンケートに期限が書いてなくてな、もう間に合わないと思うがシステム説明とかちゃんとして進めて欲しいよな」

 

作者「まあそれについては、近い時期に発売されたアトラスの「PERUSONA」を先に買って

アンケートを出そうとしたら必要なパスワードの紙を落としちゃって、・・・・・チクショー、両方駄目になった!!」

 

コスモス「・・・・何だかなー」

 

作者「「とある」も上条当麻の不幸&フラグに御坂美琴の対応とかかなりハマっててさ、そうそう10月に「とある科学の超電磁砲」が放送スタートだったね」

 

コスモス「上条ってさぁ、一体何人に好かれたら気が済むんだ?電撃文庫でも常軌を逸した状態だぞ?」

 

作者「それ以前に、奇跡的な確率で事件に巻き込まれる様子は最早オカルト肯定派の私にとって羨ましいですな、他の不幸はいらないけど」

 

勇作「そりゃあね(汗)」

 

コスモス「君は不幸というより奇運が良いのだろう」

 

作者「他にも家の人が成田良悟さんの作品が好きでね。「BACCANO!」「世界の中心、針山さん」「デュラララ!!」とか、ね」

 

作者「他にも内容を知っている作品はある。上の作品で好きなキャラ、知っている人が見るかもしれないし書きます」

 

とある魔術の禁書目録 主要「御坂美琴」 副「建宮 斎字」 悪役「アウレオルス・イザード」

 

BACCANO! 主要「フィーロ・プロシェンツォ」 副「フェリックス・ウォーケン(元クレア・スタンフィールド)」

世界の中心、針山さん 「シルク」

デュラララ!! 主要「折原 臨也」 副「聖辺 ルリ」

 

作者「Cross of DenuSはオリジナルが少ないから書かないでおこう」

 

コスモス「それに内容を知っていたり、アニメ見ていても原作まで持っていないのは、書く必要はないか」

 

作者「じゃあ話を本編に戻そう」

 

勇作「これって他の作品とちゃんとリンクさせているのですよね?先輩達は何処で戦っているのか・・・・」

 

作者「ここで世界の大体の状況図を見せよう。コスモス、ヤヌス」

 

♪コスモスとヤヌスの、一杯(お酒)ブレイクコーナー♪

 

席のハグレモン達デジモンの皆さん「待て」

 

コスモス「あいよ、まずはコレ、暗黒の海から異変が起き始める所で」

 

ヤヌス「そもそも暗黒の海には支配者のダゴモンはもちろん、様々な存在が入り乱れています。それに加え「時空を越え過ぎた出会い」では更に他世界、作品の存在も確認できます」

 

勇作「えっと、確か番外編では「もう一人のハンニャモン」さんがいましたね」

 

ハグレモン「他の世界で言う「黄泉」、「三途の川」のような物だな」

 

暗黒の海で各世界の悪や闇の勢力が集って往く。

 

コスモス「そこで現れたのが「魔王頑駄無」や「マスターハンド」を始めとした色んな世界の悪人や怪物達だ、元々奴らは世界を越える術、能力を持っていたからな」

 

作者「ここでこの時期にあった事を一つ(しかし二人共、デザインが解説にナチョラルに合っているな)」

 

「東風 統我」が謎の存在と出会い、怪事件調査に躍り出る。「真直編」の幕開け。

 

ハグレモン「だが、それを別の世界で規律を見ている神様や管理者は黙ってはいなかった」

 

コスモス「ああ、でもそんな人達にとっても苦肉の策だっただろうな(苦)」

 

異世界の主人公達がデジタルワールドに召喚される。

 

ハグレモン「我らが調査していた者達の正体という訳か」

 

勇作「カイルさんの外伝みたいに、バラバラになっちゃって何とか徒党を組んでいるって感じですね」

 

コスモス「敵の目的はデーモンを復活させる事、どうやら連中はあのヤロウが呼んだらしい。完全に自由という訳ではないが、ヤロウを中心にした「実現不可と考えられた力の統合」、それを成しえた悪の軍団が誕生してしまったんだ」

 

ハンニャモン、ハグレモンはお互いの事を知らずに行動を開始。そして「選ばれし子供達」が召喚される。

 

ヤヌス「ここで、元々異世界の存在を知っているハンニャモンさんと記録から推察するハグレモンさんで僅かですが確実なズレが生じます」

 

勇作「だから二人の間にはニアミスの気配がなかった」

 

コスモス「そこでやって来たイレギュラーが・・・・・」

 

MSコスモスを中心とした謎の組合(チーム)「ブルースターズ」が登場。

 

大輝 勇作が召喚され、ハグレモンと出会うが少年は記憶喪失に。「冒険編」の旅立ち。

 

コスモス「ここまでが以上の状況だ。そして残っている物語「探求編」の始まりはこれの更に後となる」

 

暗黒の海で各世界の悪や闇の勢力が集って往く。

「東風 統我」が謎の存在と出会い、怪事件調査に躍り出る。「真直編」の幕開け。

異世界の主人公達がデジタルワールドに召喚される。

MSコスモスを中心とした謎の組合(チーム)「ブルースターズ」が登場。

ハンニャモン、ハグレモンはお互いの事を知らずに行動を開始。そして「選ばれし子供達」が召喚される。

大輝 勇作が召喚され、ハグレモンと出会うが少年は記憶喪失に。「冒険編」の旅立ち。

 

ハグレモン「次回予告は彼が担当だ」

 

自分が何者なのか分からない僕は、呼び名を付けてハグレモン達と一緒になることに。

街での皆との楽しい触れ合いの中、別の場所である出会いが訪れていた。

モンスター達と往く道を選んだ人達。知らない僕達は・・・・て、何だ!?あのとんでもない規模で派手にやり合っている2人は!

そして、新たな敵の襲来に僕の身体に起きた異変・・・・・!!

次回、冒険編 第二話/2 「デジモン?ポケモン?惑う少年」

 

ヤヌス「え・・・・?まさかあの時、あの街にいたんですか?(汗)」

 

鳥デジモン「僕達の名前も出ますよ!」

 

勇作&ハグレモン「待て、次回!!」