最初に言っておこう、この始まりの主役は俺じゃない。

これが、皆の知っている物語に繋がるのはまだ後の話

何故なら、これはまだ始まってすらいない、

正確には、本来は違う場所での幕開けだったからだ。

 

ある物質世界の一つの街 見崎市峠地区

 

「峠地区」、本来は違う名だが外れにある眺めがいい峠に

人や色んな虫、鳥達が集まる事で呼ばれている。

 

「さあてと、今日は何かないかなぁ」

 

高校生が走る中、グラサンゴーグルをつけた学生が

交差点を曲がって学校の校門に向かっていた。

 

今は普段と変わらない生活、充実はしていたけど何処か物足りない時。

 

高校生「あ、よう統我」

 

統我「おはよう」

 

俺「東風 統我(あいかぜ とうが)」はこれから起きる事を想像もしてなく、

そして既に別の事が始まっていたなんて知る由もない。

 

高校生「そういえばこの間の騒ぎ、お前はどうだ?」

 

統我「どうも何もすでに被害者だよ」

 

高校生「あ、ネットプレイヤーだったなお前」

 

インターネットを扱う人達が驚愕した出来事

世界中のパソコンデータが突然消えたという事件

未だ事態の収拾は済んでおらず、正直ネット通の俺も痛い・・・・

 

統我「人付き合いといったらそれぐらいしかできないからなぁ

上に登るというのにそう他人の事は気にしてられないさ」

 

高校生「ほう、何処かの不登校生と話すのを考えている奴がか」

 

統我「何の事か分からないね」

 

この一人の男との世間話が後に思っていた以上

関係に繋がる事だって思ってもいなかった。

 

世界について

 

パラレルワールドとは似て異なる世界が重なり合う。

何でも無い日常の違いなら大差はないが、例えば「人」という存在

何億人の人物の内一人でも違えば

世界の流れにも大きな違いが出る可能性がある

同じ人物でも時間、生まれ、それを表す名前すらも

それがどういう意味か?

 

発見された紛失ページ 上部分より 

 


真直編 第一話

「不思議と電獣を呼ぶ世界」


 

デジタルワールド デジモン街

 

「お待ちしていました」

 

バイクから降りた男にフェンスの上から一角の電獣が声をかけた。

 

バイクの男「やあファンガス、情報役は君かい」

 

ファンガス「ええ、「彼」のメンバー分け通りです」

 

バイクの男「皆が動くのは?」

 

ファンガス「魔王頑駄無達の出方を見てから

ゲートを開けると言っていましたから、それから更に半年はかかるかと」

 

バイクの男「それまでは偵察行動にゲリラ戦というわけね、携帯番号」

 

ファンガス「はい」

 

ピポ♪ピポパ♪

 

ファンガス「まさかDショットの新機種まであるとは驚きました」

 

バイクの男「それだけ「ブルースター」は用意してたって事でしょ、

いや正式名は違ったっけ?確か・・・・」

 

ファンガス「あなたも自力で彼らと接触するとは、

しかもその理由が「面白そう」の一言ですからね」

 

バイクの男「ルートを教えてくれた人がいたからね、

でもいつまでも居るわけじゃないからそのつもりで」

 

ファンガス「ふふ、しばらく自由行動ですから世界を見て回ります?」

 

バイクの男「いいねぇ、じゃあここから一番近い隠しゲートに行こうか」

 

そうして俺はファンガスと一緒になる事になった。

そして早速面白い事になってきたんだぜ♪

 

・・・・・・・やばそうな感じと一緒にね?

 

蒼月学園 体育館

 

生徒達「うおおおおおおお!!」

 

統我の奴はマット運動で見事なロンダートをして盛り上がっていた。

 

長髪の生徒「やれやれ、相変わらずだな」

 

一年生徒「この間もサッカー試合で三年顔負けでしたしね」

 

一年女生徒「カッコいいよね〜、あの先輩」

 

二年生徒「男子にも人気あるからなぁ、流石は体操部の注目の的だぜ」

 

今は学部参加の体育、統我が注目されているがもちろん三年や

俺ら同学年(統我と俺は二年)も負けてはいられない。

・・・・・・かませ犬になる奴も多いけどな・・・・・・

そしてあいつを妬む者がいないのは統我自身の性格が成せるのだ。

相手が優等生でも不良でも気軽に話せるあの軽さ、

馬鹿にする奴も多いが羨ましがる奴も少しいる、俺だってなぁ・・・・・・?

 

一年生徒「凄いですね、何かいつもより」

 

一年生徒はグラサンゴーグルを外した統我の顔、

虹彩異色症の右目が金に近い茶色の瞳を覗き込みながら言った。

 

統我「欲しかった服が手に入って気分がいいんだ、「藤二」にも見せるよ」

 

長髪の生徒「それ通販のゲームグッズだろ、幾ら金使ってるんだ」

 

統我は以前よりサバイバルゲームのウインドブレーカーとTシャツを買う為にお金をためていたらしい。

 

統我「何を言う「春(ハジメ)」カッコよく決める為なら

腕時計も付けて直払いで十万くらい喜んで出すさ!!」

 

春「十・・・・、俺が優勝したゲーム大会賞金の倍はあるじゃねえか(絶句)」

 

統我「ふふ。生活費の心配は無用しっかり管理してるさ

それについてなかったウインドパンツも合いそうな色を店で買って・・・・」

 

春「いや、もういい」

 

これがさっき藤二が言ってた皆が引くこいつの顔だ。

統我の母親は他界して父親は遠出しているそうだから

お金は自分で管理して自立生活しているらしい。

マニア、生活、ネット、授業料の大量消費で

どうやって安定した生活が出来るのだこいつは・・・・

バイクがあるから内緒でアルバイト出来るとは言ってもすごいぞ。

いや待て、よく考えればバイクに使うお金も相当な出費のはず・・・・

 

この春さんはゲームの天才でTVも無電源系もお手の物だ、

あの完璧統我さんも見事優勝を取られてしまった。

(藤二は四位、三位は藤二を倒し統我に敗れた優勝候補だった人)

しかし十万か・・・・母さんのヘソクリも軽くいくな(-_-;)

 

デジタルワールド 街外れ

 

少年「ヒエーーーーーー♪」

 

バイクのヘルメットを外した茶髪の少年とファンガスはメカノリモンと

大量の蟻型デジモンに空と地上から囲まれていた。

 

少年「こんな街の近くなのに良くこれだけ数連れてきたもんだ」

 

蟻のデジモン「何処から紛れたか知らないが覚悟してもらう!」

 

ファンガス「どうやら近辺の調査隊のようですね」

 

少年は近くの敵に蹴りを入れて腰に付けていたカプセルを投げつけた。

 

「パーンッ!!」と高い音を立てて破裂したカプセルからガスが噴出した。

 

蟻のデジモン「うわ!?虫除けかよ!」

 

昆虫デジモン データ種 ゲータモン

 

ファンガス「多目的用のデジモンですか、モチーフが蟻とは考えましたね」

 

少年「成程、色んな仕事やらせるには適任てことね!」

 

ファンガスは敵を回転体当たりでなぎ払いながら考え事をした。

 

ファンガス(生み出したのはデーモンの部下でしょうが、他にも何か?)

 

パイロット「このメカノリモンにそんな攻撃!!」

 

少年「これならどう!」

 

少年の投げたカプセルからは今度は粉のような物が出てきた。

 

パイロット「機体が動かない、今度は対機械系ジャマーか!

(この男、敵ながら見事な道具の扱い・・・・)!?」

 

パイロットの男はコクピットの中である事に気がついた。

 

パイロット「まさかその顔は、ム・・・・・」

 

バキィーーーーーー!!

 

無防備な所をファンガスの回転体当たりで言い終わる前にメカノリモンを壊される。

ヘルメットのお陰でたいした怪我はないが戦闘は無理だった。

そして男はそれより気がかりな事があった。

 

少年「あまり気をとられたら駄目だよ」

 

パイロット「ぐ、まさか君が現れるとは・・・・」

 

ファンガス「指揮官は倒しましたが、まだやる気ですね」

 

少年「僕に任せな」

 

そういって少年はポケットから何かを取り出して・・・・「ボンッ!!」

 

少年「は〜いビックリ「七人変化!!」」

 

少年は七人に増えてしかもそれぞれ顔つきが違った。

 

パイロット「おわッ!?ちょっとま・・・七人の○○かよという以前に君自体

そんな技やネタは原作にもアニメにもなかったろ〜〜〜〜!!(極汗)」

 

少年「ファンサービスという事で♪」

 

パイロット「あるかぁ、そんなサービス!!(絶句)」

 

ゲータモン達「明らかに遊んでるだろ!!(号泣)」

 

所詮やられ役はやられ役である。

 

ゲータモン「何この最悪なナレーション!?」

 

少年が一人にもどった数分後には彼らの中に無事な者はいなかった。

 

ファンガス「一体どうやったんですか、今の(ちょっと汗)」

 

少年「気にしない、気にしない♪じゃあ行こうか」

 

数時間後 森

 

ファンガス「そうそう事は上手くいきませんか」

 

先ほどのゲータモンやクワガーモン、人間の兵隊がぞろぞろと集まっていた。

ファンガスと少年は逃げようと木の上を飛び回っていた。

 

戦闘員「ちょっと待て、悪いが逃がさんぞ!」

 

様々な色のコートを着た彼らは拳銃を持って必死に追いかけてきた。

 

少年「さっきの連中が持ってた通信機を不良にしたのは正解だったね」

 

ファンガス「気絶させただけですからバレますけどね、とりあえず迎え撃ちませんか?」

 

少年「カプセルも切れたのにこの数を追い散らさずに?せっかく休みに来たのになっと!!」

 

バキッ!グハ!?

 

少年は後ろから追いついて来た戦闘員に上手く後ろ蹴りを食らわして方向転換した。

 

少年(相手はさっきのデジモンを除けばクワガタに

色んな色のコートを着た人達、結構人もいるんだな

これはまだとっておきだったけど・・・・・しょうがないか)

 

少年はそんな事を考えながらペンのような物とノートを出した。

 

ゲータモン「何だ、こんな時にお絵かきか?」

 

戦闘員「・・・・まさか!?おい、迂闊に手を出すな!」

 

少年「僕の事知ってるんだ、嬉しいね!」

 

少年は何かを書くと破いたページを紙飛行機にして飛ばした。

 

ゲータモン「遊びなら他所でやってろ!!」

 

戦闘員「あ、それに触れたら・・・・」

 

ドン!!

 

ゲータモン「うわ!?紙が爆発した!?」

 

そして爆発の煙が・・・・三つの数字とローマ字を浮き出した。

 

戦闘員「BY・・・・やはりこの技は「623(ムツミ)」か!」

 

少年「おっと、僕は流しの263「ニシサ」さ!」

 

戦闘員「その流れ者がなんでこんな所に?」

 

ニシサ「風が運んだ噂でこの世界の事を知ってね、面白そうだったからさ!!」

 

戦闘員「面白いのは確かだな、でもここはそう甘くはな・・・・」

 

その戦闘員がニシサに気をとられていた時、ファンガスが周りを片付けていた。

 

戦闘員「(少し気をとられずぎたか、だが)私一人でも十分戦えるさ!」

 

戦闘員は持っていた銃を捨ててスタンロッドを持った。

 

ニシサ「いい判断だけど、残念!!」

 

その一瞬の間に間合いを開いてロッドを持った腕を片手で抑えた。

 

戦闘員「はやっ!?接近戦も得意だったの・・・・」

 

ガス!!がああ!

 

肘打ちの一撃で最後の戦闘員を倒した。

 

ニシサ「さてと、そこで高みの見物をしている人も出てきたら?」

 

黒いコートの男「ああ、なかなかの腕だな」

 

黒コートを着た銀髪と赤眼の青年が現れた。

 

ファンガス「魔王の召喚した戦士ですか」

 

コートの男「彼等に協力して損はないからな、それに面白い物も手に入れた」

 

そう言って男が指を鳴らすと光る球体が空中に出現した。

そして地上から出てきた植物の根が男の背中から首に取り付いた。

 

ファンガス「!?」

 

コートの男「出でよ、「実験体アンヂオス」!!」

 

そして現れたのは翼と数本の巨大な角を付けた電獣だった。

 

ファンガス「サナエバ製薬の実験体、まだ残っていたのですか」

 

ニシサ「来るぞ!!」

 

ファンガスは飛び掛かって来た実験体を間一髪かわした。

 

ニシサ「ファンガス!」

 

コートの男「君の相手は俺だ、「俺の前にひざまずけ!」」

 

それが合言葉のようにギターのような武器が空中から現れ、男が手に取った

 

ニシサ「これはまた面白いね!」

 

コートの男「さっきの男も言っただろう、ここはそう甘くは無い!!」

 

ピィ〜〜〜ン♪

 

ギターの弦を鳴らして現れた黒い壁に飛びかかろうとしたニシサは吹き飛ばされた。

 

ニシサ「うおっ!?」

 

ファンガス「ニシサさん、あの男の首に取り付いているアンテナの根っこを切って下さい!」

 

実験体「他人ノ心配ヲシテイル余裕ハナイゾ!」

 

ファンガス「それはどうですかね?」

 

実験体の爪をジャンプで避けたファンガスは木で受身をとって逆に飛びついた。

 

牙(が)ッ!!

 

実験体「チィ、コシャクナ!」

 

過去に巨大な電獣ナバサをも倒した強烈な噛み付きだが

実験体は奇襲を受けたにも関わらず容易く振りほどいた。

 

ファンガス「ぐっ、サナエバさんが操っていた時以上ですね」

 

それは当然だ、サナエバは普通の人間だが

コートの男はおそらくボスクラスだろう。

そのときノートで何かの袋を出したニシサはそれを男に投げた。

 

コートの男「ふ、そんな物・・・・」

 

パァァァァン!!

 

粉のような物が男の顔に飛び散った。

 

コートの男「これは、ヘックシ!胡椒爆弾!?ヘックシュ!」

 

胡椒でクシャミを連発し、涙目と鼻水顔になった男の足元に球体が落ちた。

 

コートの男「げ!」

 

ニシサ「もらった!!」

 

ニシサはページのブーメランで見事にアンテナを断ち切った。

それと同時に実験体の体は消えていった。

 

コートの男「よりによって初登場がこんな情けないやられ方・・・・

ヘックション、格好悪いな(泣)」

 

泣きながらギターを鳴らして、男は闇に飲み込まれるように消えた。

いかに強くとも身体に直結したアンテナを切られてはかなりのダメージになるためだ。

 

ニシサ「とりあえず退けたか?」

 

ファンガス「ええ、しかし新種デジモンに実験電獣・・・・少し調べておきます」

 

ニシサ「一緒に来ないの?」

 

ファンガス「心配はいりませんよ、私はすぐ仲間と合流しますから」

 

ニシサ「まあ世界を移動すれば追っ手もすぐにはこないだろうしね」

 

二人はお互いの顔を見合わせた。

 

ファンガス「それではお気をつけて」

 

ニシサ「幸運を祈るよ」

 

三崎市 翌日の学校放課後

 

統我「やっぱりすぐには来ないか」

 

不良はそう簡単には動かなかったらしい。

 

統我(今日の復習は早めに終わらせるか)

 

皆と別れた統我はそんな事を考えて

バイクを止めた後に自動販売機でコーヒーを買った。

ここからならもう家の近くなので見つかる心配はなかったからだ。

 

統我(ビールも堂々と買えればなぁ)

 

なんて事を考えていると・・・・

 

「おいおい、学生が堂々と買い飲みかい?」

 

その声の方向にいたのは俺の様にバイクを横に止めた茶髪の男だった。

 

ニシサ「俺は2・6・3でニシサってんだ、よろしく」

 

統我「このあたりの人じゃないね、というか初対面の対応かそれ?

(まあ相手がそうするなら、こっちも・・・)俺は東風 統我

あいの風に統、我、と書いてトウガだ」

 

ニシサ「東風(あゆ)のあいの風か、変わってていい名前だ

でも下の統我って、少し自己中心ぽくない?(笑)」

 

統我「君に言われたくないよ、なんで数字と語呂合わせ?(汗)」

 

ニシサ「ペンネームみたいなものだよ、流れ者でね」

 

統我「流れ者ねぇ?家出かホームレス?」

 

ニシサ「おいおい、ちゃんと家も仕事も持っているよ。

ただ絵描きやちょっとした芸であちこち回っているんだよ」

 

統我「へぇ、ならこの街は十分君に合っているかもな」

 

ニシサ「?、どういうこと」

 

その時、統我がこの街のあることに気づいた。

よく考えれば自分もニシサもこの街に似ているのではないか?

ふとそんな事を思ってしまい、話に戻る。

 

統我「なんか君とは他人って感じがしないな」

 

ニシサ「ふふ、まあね(これも電波って奴?)」

 

統我「(なんか変なのキャッチした気が)せっかくだし何か奢ってやるよ」

 

ニシサ「お、じゃあ俺はコーラもらおうかな」

 

統我「あいよ」

 

ガシャン

 

統我「ほれ(こいつ・・・・)」

 

ニシサ「ありがとう(ん?)」

 

統我「・・・・ちょっと付き合わないか?面白い所に連れて行くよ(どうも気になるな)」

 

ニシサ「面白い所?(なんか妙に電波が、それに統我じゃない?)」

 

デジタルワールド ゲータモンの巣

 

長髪の男「まさか実験体を失うとは・・・・」

 

研究員「まあ使用者の負担や戦闘可能な地形の関係で

採用には問題がありましたからね」

 

長髪の男「樹を改良して多少問題点は減ったが、あんな手があったとは」

 

男が苦笑するとコート格好の少年が歩いて来た。

 

コートの少年「それより263とファンガスという電獣はどうするのですか?ドクターゼロ」

 

ゼロ「彼らが何をしていたのか確かめる必要がある、MSかОP達に探らせよう」

 

「俺にまかせてもらおうか?」

 

そういって現れたのは額に古い傷が付いた猫であった。

 

キズネコ「新しい身体を早く試したいからな」

 

研究員「しかし君達はまだ試験途中で・・・・」

 

ゼロ「いや、実戦データを取るには丁度いい機会だ」

 

コートの少年「それにデータがあった方が進みがいいでしょ?」

 

研究員「それも一理ありますね、ゲータモンと調査員を少数護衛として回して下さい」

 

コートの少年「はい」

 

少年はコートのポケットからデジファイスを取り出した。

 

ゼロ「待ってくれ、アサシンタイプを頼む」

 

研究員「アサシン!?何でまた」

 

ゼロ「会ったことはないが少しな、確実に彼らの事を調べたい」

 

コートの少年(ファンガスはすでに死亡が確認された電獣、当然と言えば当然か)

 

ゼロ「彼も了承してくれるさ(何かある前にやる事はやらなければな)」

 

キズネコ「安心しな、すぐに殺ってやる」

 

ゼロ「落ち着け、まずは情報が先だ、生かしたまま捕らえる」

 

研究員「ところで623、いや263が向かった世界ですが

場所ははっきりしませんが、詳細不明のエネルギーが検出されたんです」

 

ゼロ「エネルギー?」

 

研究員「調べたところ、この世界は物質系、事件記録はありません、しかし・・・・」

 

ゼロ「しかし?」

 

研究員「魔法能力も何もない場所だというのに、かなりのマナが確認されているのですよ」

 

コートの少年「これから始まる物語、か、介入でどれだけ事が変わるか」

 

キズネコ「それも調べてやるさ、早くしろ」

 

ゼロ「助かるよ、では行って来てくれ」

 

コートの少年「そういえば「あの人」は?」

 

研究員「胡椒が思いのほか辛かったようで水場で顔洗っています()

 

ゼロ&少年&キズネコ「・・・・・(気落ち)」

 

夕暮れの峠展望台

 

ニシサ「うお」

 

虫の合唱を聴きながらニシサが見たのは

夕暮れを背後にした大きな樹と朱色の下街だった。

この映りは気分を躍らせない人なんていないほど・・・・

この峠だけではない、まだこんな光景はいくつもあるのだ。

それゆえに見・山・奇の見崎の名がついたという話ができたのだ。

名前の意味・・・・・・そうだ、俺が感じたのは正にそれだった。

 

ニシサ「こりゃ凄い、良い絵がかけそうだ」

 

統我「ふふふ、このあたりでの人気スポットさ」

 

ニシサ「あの公園の大きな樹は?」

 

統我「ああ、昔からあったて話でね、街では大事にされている」

 

ニシサ「ふぅ〜ん、ではお礼に一つ面白い物を」

 

統我「ん?」

 

ニシサ「僕らには楽しむ義務がある BY 263」

 

そう答えながらニシサはノートを取り出して絵を描き始めた。

 

ニシサ「そうれ!!」

 

なんと鳥の絵がノートを抜け出して夕日に向かって飛んでいったのだ。

 

統我「うおっ!?」

 

ニシサ「へっへ〜♪」

 

統我「今の、本物・・・・何処かで聞いたような」

 

そうだ、京都の二条城の七不思議で本物そのものという程の

出来まえの鳥の絵がその通りになって飛び出たと・・・・

まあ、目の前に本人に聞いて見るのが一番だ。

 

統我「凄いな今の、どうやったんだ(感)」

 

ニシサ「手品だと思う?」

 

統我「俺は君がやる様子をしっかり見てたんだ、君の手やノートにも変な所は・・・・」

 

そう言って一つ気がついた。

 

統我「・・・・そのペンかい?」

 

ニシサ「正解、良く分かったね」

 

統我「ふふ、不思議というのはその辺に転がっているものか」

 

ニシサ「それを見つける事ができるのはわずかな者だけさ」

 

統我「お前、さては嫌な奴だろ?」

 

ニシサ「さあて、どうだろうね」

 

統我「近くに人気のお好み焼き屋がある、おごるから付き合わない?」

 

ニシサ「え、いいの?」

 

統我「・・・・服出してくれない?制服で行くのはまずいから」

 

これが普段皆の見本になる統我がした初めての寄り道である。

ニシサは会話の中で、「他の場所」と同じ出会いを感じていた。

統我はニシサがただの放浪者じゃない事も分かっている。

でも彼らは本能で感じているのに気がついていなかった。

自分達の出会いが必然だと言う事に・・・・

 

次の日の朝 通学路の交差点

 

統我「とまぁ、そんな奴にあったのだ」

 

学校に行く途中、俺はペンに触れないようにニシサの話題をしていた。

 

藤二「放浪者ですか・・・・なんかカッコいいじゃないですか」

 

春「統我もいつかは名を轟かすのだろ、「俳優志望」さん」

 

統我「ふ、出来れば「未来のHERO」と呼んでくれ!」

 

不良「そんな派手な夢を持っていたのか、お前」

 

統我「まあな」

 

春「お前はなんで普通にいるんだよ」

 

不良「うるさいな、藤二にまで言われて来たんだよ」

 

藤二「いいじゃないですか、当てのない一日ばかりより」

 

そんな話をしている中、俺は知らなかった。

全ての始まり、必然という物が迫っていたことに・・・・

 

夕暮れの峠展望台

 

ドクン、ドクン、ドクン・・・・・

 

緑色のシャツとGパン姿の中学程の少年が、心臓の音を大きく鳴らしていた。

 

少年「この皮膚が引っ張られる感じ、彼らが現れた時の・・・・?」

 

転移と妖物、その二つの言葉が少年の心を支配していた。

 

夜、統我の家

 

一戸建ての一人で住むには広い家、だが彼には最も落ち着く場所。

統我の部屋はプラモや特撮グッズなど典型的なマニア部屋であった。

 

統我「えっと今日の生活費はと・・・・・稼いだバイト代で」

 

彼はいつもどおりに勉強机に座って最近の損得をメモ帳に書いて計算

していた。

 

統我「やっぱり少しきつかったか、じゃあしばらくは節約メニューで」

 

今の彼は食事と入浴を済まして寝る前の確認をしていた。

流石に数日前のゲームユニフォームや時計は無理があったようである。

更に足りなかった物を市販で埋めてなおさらである。

 

統我「ははは、父さんが帰ってきたら怒るだろうなぁ」

 

そういって飾ってある親子三人の写真を見つめていた。

 

統我「・・・・・・なんだ?」

 

一瞬、肌が何かに引っ張られる感触がした、そして・・・・

 

統我「・・・外、なんだ?」

 

何かに呼ばれている、そんな感じがしてならなかった。

 

洗面所で短髪を直し、顔を洗うとグラサンゴーグルを掛けた。

ちょうど洗濯して乾いていた例のウインドブレーカーとTシャツ、ウインドパンツを急いで着替えた。

サバイバルホラーゲームの特殊部隊ユニフォームの三角マークと

部隊名「S,C,P,S(特殊対策ポリス部隊)」ロゴウインドブレーカーとTシャツ

腕時計がちゃんと合っているのを確認して外に止めてあるバイクにまたがった。

燃料を入れ直し手入れしたばかり、出発には十分過ぎるタイミングだった。

 

夜の裏山

 

体中擦り傷だらけでボロボロの学生服を着た少年が森を彷徨っていた。

そして何かを感じて街の明かりに視線を向けた。

 

少年「・・・・空気の味か、あそこほどじゃないけど」

 

月明かりに照らされたナイフに移る自分の顔を見つめていた。

 

夜の見崎市 峠展望台

 

統我「姿を見せたらどうだ」

 

いる、人とは違う何かが此処に!

そう感じた時、突風と共に光の粒子が統我を囲んでいた・・・・

 

数時間後 見崎市外れ山の洞窟

 

ニシサ「さてと・・・・」

 

立ち入り禁止の看板が立っている洞窟に足を踏み入れようとした時・・・・

 

ゲータモン「そこまでだ!」

 

ニシサ「何!?」

 

ニシサは咄嗟に事前に描いていたノートの紙爆弾を破って投げた。

 

ゲータモン「そんなものぉ!!」

 

ボンッ!!

 

ゲータモン「うわ、煙幕!?(やられた、奴は何処に!?)

 

ニシサ「てぃ!」

 

バキィ!ぐおっ!!

 

ニシサ(こいつら、デジタルワールドで戦った奴と種類が違う)

 

見た目は体に赤みがかかっている事と牙や爪の形状以外

違いはないが問題はその俊敏性である。

 

昆虫デジモン ウイルス種 ゲータモン(アサシン)

 

ゲータモンA「ハハハハハハハ、アサシン部隊はそうそう甘くないぞ!」

 

ニシサは「盾」と書いた紙を自分の周りにばら撒いたが・・・・

 

鋼鉄砕きの顎!!

 

ゲータモンAは紙を簡単に破ってしまった。

 

ニシサ「げ、マジ!?」

 

ゲータモンA「ノーマルタイプでもこの位はできる、違うのはウイルス、

我々のそれは毒の牙だと言うことだ!!」

 

ニシサは後ろに下がったが・・・・木の影から何かが飛んできた!

 

ニシサ「・・・・矢!?」

 

「よく避けたな」

 

ゲータモンA「「ドッチ」!!」

 

ドッチと呼ばれたキズネコ「だがこの戦力差はどうにもならないぜ」

 

調査員A「そういうことだ」

 

研究員「ここで終わりです」

 

ニシサ「猫のサイボーグか・・・・面白いけど、まずいかな」

 

ドッチ「(こいつ、俺の嫌いな眼だ)知ってる事を教えな」

 

ニシサ「駄目だっていったらどうなるのかな?(汗)」

 

ドッチ「終わりだ!!」

 

ブオオオオオオオオオッ!!!!

 

ゲータモンA「な、なんだ!?」

 

ニシサ「バイクのエンジン音・・・・」

 

聞き覚えのある声「ニシサ!!」

 

ブゥウウウウウウウンン!!

 

調査員C「げ、ちょっと待・・・・(極汗)」

 

バキィ!!ぎゃあああああああ!!

 

ニシサ「あ〜あ(汗)」

 

木と木の間からバイクが跳んできて敵を思い切り轢き飛ばした!

 

研究員「なな、何者だ!?」

 

ヘルメットを外すと片目だけが光る少年の姿があった。

 

統我「東風 統我、ただの高校生だよ」

 

ニシサ「なんでここに・・・・」

 

統我「俺もここに用があって来たが、中々面白い事をしているな君は」

 

そう答えると統我はバイクから降りて周りを見回した。

 

統我「ただで洞窟を通してはくれないか・・・・」

 

ドッチ「こいつもやれ!」

 

調査員B「めちゃくちゃやりおって!!」

 

調査員が二人がかりでつかみかかろうとしたが・・・・

 

統我「よっ!!」

 

前転でなんなく間をくぐり抜け、

 

調査員A「な・・・・」

 

統我「でい!」

 

蹴りで反撃した!

 

調査員A「ぐあッ!?」

 

調査員B「はうッ!?」

 

ニシサ「うわ、スゴ・・・・」

 

調査員A「な・・・・何故?」

 

統我「ああ、俺体操部入ってるからこのぐらいは」

 

調査員B「体操部て、それ以前に腹に思い切りクリーンヒット()

 

統我「あなた達プロじゃないでしょう、ニシサ追いかけるだけで苦労してましたから」

 

研究員(そこまで見抜いていたというのか!?)

 

研究員は驚きを隠せずに後ろに下がろうとした時、

 

ドッチ「ケッ、俺をそいつらと一緒にするなよ」

 

統我「うわっと、猫がしゃべった?」

 

ニシサ「そのネコ君はサイボーグだそうだよ」

 

ドッチ「余裕をこいていられるのも今の内だ!!」

 

ジャキッ!!

 

ニシサ「げ、腹からガトリングガン!?」

 

ドッチはそれを腕に取り付けて狙いを定めた。

 

研究員「ま、待てドッチ!それはまだ調整途中で・・・・」

 

ドッチ「どけ、巻き込まれても知らねぇぜ!!」

 

統我「伏せろ!!」

 

ゲータモンA「みんな、散れぇ!」

 

ドガガガガガガ!!

 

研究員&調査員「うわわわわわ!」

 

ニシサ「どわぁ!」

 

統我「危な!」

 

ドッチ「これで絵は描けねぇ、飛び道具なしじゃ終わりだな!!」

 

ニシサ「く!!」

 

統我「・・・・ニシサは確かにそうだな」

 

ドッチ「何?」

 

ニシサ「統我?」

 

統我「遠くの敵を攻撃できる武器があればいいんだろ?(ニヤリ)」

 

ゲータモンA「何!?まさか・・・・」

 

パァン!!

 

ドッチ「な・・・・!?」

 

それはドッチの頬を僅かにかすめた。

 

調査員B「そ・・・それは!」

 

統我が両手で握るのは白銀の銃身に大理石模様のグリップと

綺麗に装飾された回転式拳銃(リボルバー)だった。

 

調査員A「な、何故そんな物を・・・・」

 

統我「もらった、全然知らない人に(あっさり)」

 

統我以外全員「「「「さらりととんでもない事言ったぁ〜〜〜!!!!」」」」

 

ニシサ「統我、それはちょっと・・・・」

 

調査員A「知らない人に物もらっちゃ駄目なんだぞ〜!」

 

調査員B「そんなレベルじゃないと思うが・・・・」

 

統我「えぇ〜、未成年を連れていこうとする「オジサン」に言われてもなぁ」

 

調査員A「オジサ・・・・い、いや君それは・・・」

 

統我「隙ありぃ!」

 

服の下に隠していた三段警棒で額を思い切り突いた!

 

調査員A「ギャー!!」

 

統我「敵の言うことに反応しないように、お兄さん」

 

調査員B「汚ない手使うなおい!」

 

パァン!!

 

調査員B「て、どわああああ!」

 

いきなりの銃声に驚愕したが、今の弾は目標を外した。

その隙に護身用の銃を構える。

 

調査員B「さすがに銃の反動は素人では無理か」

 

統我「・・・・・・」

 

ドッチ「!、狙いを定めて・・・・・・」

 

ゲータモンA「危ない!」

 

パァン!!

 

調査員B「腕を狙ったのか・・・・やる」

 

たしかに統我は銃をもつのは初めてだが、彼は普段より体を鍛えている。

それゆえ腕に入る力も柔軟性も人よりあるが、銃の反動に耐えるのは難しかった。

 

統我「ぐ、そうすぐには扱えないか!」

 

肩を狙った射撃だったが決定的な位置には至らなかった。

そして・・・・更に事態は重くなる。

 

声「帰りが遅いから来てみれば、とんだ伏兵がいたな」

 

研究員「ビーバーム、ツノナス達もか!」

 

黒い狼のような電獣とお腹に袋をつけた頭が名の通りのアヒルのような電獣が現れた。

 

統我「これは・・・・かなりやばいかも」

 

その時、ニシサが目くばせをしているのに気づいた。

 

統我(・・・・!★)

 

パァン!

 

ビーバーム「おっと」

 

ニヤリ、ザッ!

 

ビーバーム「なかなか速い、だが」

 

銃の弾を避けたビーバームとの距離を縮めて蹴りをしたが簡単にかわされた。

 

統我「し、しまった!」

 

ガシッ!!

 

ビーバーム「捕まえた、ツノナス隊」

 

ツノナス「クエーーッ!!」

 

ゴソゴソ、ポイ。ボン!

 

ニシサ「うお!?そんなところに爆弾!」

 

研究員「我らの勝ちだ!!」

 

統我「それはどうかな?」

 

研究員「何?」

 

その言葉に合わせるように吹いた風、そして・・・・紙!

 

調査員B「ま・・・・まさか!?」

 

ボンッ!!

 

ビーバーム「ぐお、煙幕!」

 

統我「じゃ」

 

研究員「あ、しまった()

 

ゲータモンA「待て、まだ終わりじゃない!」

 

ニシサ「残念!紙吹雪・・・・・・炸裂弾!!」

 

ドドドドドドドドドッ!!

 

がああああああああ!!

 

ニシサの作戦で敵は全て倒れた。

 

統我「おっしゃ〜〜〜〜!!」

 

そして・・・・・・

 

ニシサ「助かったよ統我、ありがとう」

 

統我「礼なら俺にも言わせてくれ」

 

ニシサ「何の事♪」

 

統我「いや、ね♪」

 

森にダメージを与えないように爆発を抑えていた彼に感謝した。

 

チラッ

 

ニシサ「見事に逃げられたな(笑)」

 

そう、敵は消失していた。

 

統我「あいつらいつの間に気がついてたんだ(汗)」

 

ニシサ「やれやれ、まだ付き合いは長そうだなぁ」

 

統我「それで、この状況の説明をして欲しいな(微笑)」

 

ニシサ「そうだね(微笑)」

 

ゲータモンの巣

 

ゼロ「ここに来てイレギュラーか」

 

研究員「も、申し訳ありません」

 

ドッチ「くそ、あんな奴に」

 

ゼロ「現状の設備じゃ先は見えてる、何か良いデータかサンプル・・・・」

 

「現在より優秀なスタッフが必要だな」

 

研究員「所長!」

 

白衣を着た不精ヒゲを生やした男が歩いて来た。

 

所長「やっぱり今は若い連中に任しとかねぇとな、あいつらに関しちゃ」

 

研究員「しっかりして下さいよ」

 

ドッチ「俺の改造の為に呼んだ奴らは?」

 

所長「異世界の技術も使うっていうんだ、一石二鳥にはいかんさ」

 

ゼロ「それに彼らが得意とするのはあくまで元が動物の改造だ」

 

所長「そしてゼロ、お前さんはロボポンが元々の位置だ」

 

研究員「もっと幅広く出来る人間が必要、なんて無茶を言うんですか?」

 

ゼロ&所長「「それしかないさ(だろ)」」

 

研究員(・・・・・(呆)」

 

所長「しかし大将はまだ顔洗ってるのか?」

 

ゼロ「いや、先ほど客人が来た」

 

コートの少年「客人?」

 

ゼロ「「創造神」だそうだ」

 

モニター設備の部屋

 

コートの男「今来ましたよ」

 

マスターハンド「よう、久しぶりだなロ・・・」

 

ギュイ〜〜〜〜〜〜ン!♪!(←ギターの音)

 

コートの男「その呼び方はやめろ」

 

マスターボロ(笑)ハンド「す、すまん・・・・・イテテテテテ

(何故モニター越しで攻撃が当たる、というかいつ出した!?)」

 

コートの男「・・・・頼んでいたものは?」

 

マスターハンド「「影虫」はガノンドロフが予定通りそっちに運んでいるぞ」

 

コートの男「助かった、これで俺達も十分動ける」

 

マスターハンド「だがお前の部隊を動かせばいいのではないか?」

 

コートの男「兵は訓練中で「あいつら」はドッチ始め皆不完全だからな」

 

マスターハンド「まあいい、これなら多少指揮のなれない奴でも動かせる」

 

コートの男(ま、それだけじゃねえんだけどな)

 

マスターハンド「それともう一つ・・・・」

 

コートの男「?」

 

マスターハンド「我等はこれより魔王頑駄無と暗黒の海を開く」

 

コートの男「!、始めるのか」

 

マスターハンド「だからイメージの世界からこのマスターハンド

武者の世界から魔王頑駄無が呼ばれた、奴の復活の為にな」

 

コートの男「エージェントに感づかれるというのに思い切った事を

それに知らないワケではないだろう、「ナムコクロスカプコン」の騒ぎを」

 

マスターハンド「対策は打っている、抜かりは無い」

 

コートの男(デーモンも彼らも物好きだな、それか自分を過信してるか?)

 

マスターハンド「どうした」

 

コートの男「受け取ったら早速使う、気になる事があるからな」

 

見崎市 街外れの洞窟

 

統我「で、データの世界で悪魔が復活しそうって事?」

 

ニシサ「そ、・・・・・信じられない?」

 

統我「いや、それならここ最近のパソコンデータ消失事件も説明が付く」

 

ニシサ「?、おかしいな、別の世界でもうそんなに影響が出てるのか?」

 

統我「まだ何かあるのか?」

 

ニシサ「さあね、まあ僕達が動くのはまだ時間があるから・・・・・・ん?」

 

統我「どうした?」

 

ニシサはノートの絵から小さな機械の様な物を取り出した。

 

ニシサ「転移反応、街の所々に小さく分かれている?」

 

統我「休暇のつもりが大変みたいだな」

 

ニシサ「ハハ、まったくだよ」

 

統我「じゃ、つき合わせてもらうか」

 

統我は表に現さなかったが、外したとはいえ

人に銃を向けた感じが心に重く響いていた。

 

統我(覚えていかなきゃならない、これからの為に)

 

街外れの森

 

シュウシュウシュウ・・・・・

 

闇の塊のような物体が空から落ち、地面をはって人の形を成していた。

 

少年「な、何!?」

 

闇に色が付き、緑色で頭に羽飾りをつけた人形の様な物が現れた、

背中にはその闇の塊が身体に納まりきれないかのごとく溢れている。

 

敵「ククルルル・・・」

 

少年「・・・・・・どいてくれ」

 

同じ様な事が街のいたる所で起こっていた。

 

夜の街中

 

シュウシュウシュウ・・・・

 

子供「・・・・・・妖魔でも悪霊でもない」

 

敵「ククルルルル・・・・」

 

子供「妖気がないなんて、そんな事が?」

 

数十分後 街の中央

 

統我「おわ!ここにも」

 

少数ながら次々と現れる敵に二人はバイクを止めた。

 

ニシサ「何しにこの街に?俺らの歓迎とは違うみたいだし」

 

統我「猫の相手で警察も来るだろうし、あまり時間は・・・・!」

 

ニシサ「どうした、ん?」

 

あの街のシンボルとなる木に感じる不思議な感覚。

それが何なのかと考える前に二人は決断した。

 

ニシサ&統我「・・・・・(ニヤリ)」

 

風の流れに任せて、手に力を入れる!

 

ニシサ「行くよ〜!」

 

統我「お〜〜!!」

 

これが「263」にとっての始まりだったかもしれない

だがこの世界で出会った統我の始まりと皆のお楽しみは、これからだ!

 

峠展望台

 

黒コートの男「彼らも行ったか、君はどうする?」

 

「何故、我にこだわる?」

 

黒コートの男「君が彼に感じた物と同じさ」

 

・・・・・・・・

 

黒コート&???「「面白いから」」

 

アハハハハハハハハ!

 

黒コートの男「行こうぜ!」

 

「よっしゃー!!」

 

朝 街の公園

 

警官「なんですかね、この惨状(汗)」

 

私服警官「さあな、人間の仕業とは思えんが・・・・」

 

焼け焦げたり、ひしゃげたりしている公園の遊び道具や椅子

 

警官「まるで嵐ですね、山岸のおやっさん」

 

私服警官「昨日は晴天だ、それに物の設計ミスも一つもない

人じゃなければ何だと言うのだ、え?「山岸 達司」」

 

山岸「ふ、化け物とか?」

 

私服警官「貴様、幾らベテランとは言え上に対して何の態度だ」

 

山岸「今はこの公園の状況説明が先だろう、人の仕業?

人間の力じゃ無理、車か何かが入った様子、

火の気もガソリン撒いた跡もなくどうやって」

 

私服警官「他にもやる事は溜まっている、捜査を長引かせる必要はない」

 

山岸「必要はないだと?この有様を見てよく言う!」

 

警官「お二人とも落ち着いて、マスコミももうすぐ来ますし」

 

山岸&私服「・・・・・・」

 

私服警官は苦い顔をしながら帰っていった。

 

警官「まったく、これだから頭でっかちの連中は」

 

山岸「人的被害がねぇとこれだ、銃でドンパチやってる奴も問題だが(呆)」

 

警官「山岸さんを飛ばす時間あるならもっと考えろ、て所ですよ」

 

山岸(しかし嫌な感じだぜ、マジでヤバイ事の前兆じゃなければいいが)

 

公園側の裏通り

 

少年「・・・・・・」

 

藤二「春さん!」

 

春「どうだった?」

 

藤二「やっぱり統我さんいませんよ、何処かに行ったみたいで

合鍵で中に入ったら貴重品に着替えや食べ物まで持っていってます」

 

一人暮らしの統我は鍵を失くした時のために

春と藤二に合鍵を預けている、もちろん二人は心配して様子を見に来る。

 

藤二「代わりにこれが・・・・」

 

藤二が春に「心配しないで下さい」と書かれた手紙を見せた。

 

春「・・・・よほどの事があったな」

 

藤二「え?」

 

春「あいつが連絡どころか置き手紙に用事も書かないのはそういう事だ」

 

藤二「・・・・」

 

子供(こんなに被害が出るなんて、一体何が起こり始めてるんだ)

 

藤二「あれ?」

 

少年「・・・・・」

 

少年は藤二と目が合うとその場から去った。

 

春「どうした?」

 

藤二「・・・・・いえ」

 

ドン。

 

春「と、すまんな、君はこの辺りの子じゃないね」

 

子供「あ、はい最近・・・こちらこそすいません」

 

そう言って子供は走り去った。

 

春(騒ぎを聞きつけてという感じじゃない、不思議な感じのする子だ)

 

藤二「統我さん、何処にいったのでしょう」

 

春「さてな、バイト続きでも学業しっかりしたあいつが朝からいない

・・・・今日の騒ぎといい、心配いらんかもしれんが悪い予感がする」

 

「クーン」

 

春「!」

 

春は自分に引っ付いている柴犬に気づいた。

 

藤二「狼(ろう)くん」

 

春「心配いらないと言ったろ、心配・・・・な(微笑)

 

ゲータモンの巣

 

黒コートの少年「新しい仲間、ですか」

 

黒コートの男「ああ、まだ「彼ら」が未完成な以上、

戦闘ロボットやゲータモンが主力の俺達には大助かりだ」

 

ゼロ「念のため監視はしておくか?」

 

黒コートの男「心配はいらない、彼の事も君らの事もな」

 

所長「どういうことだ、大将?」

 

黒コートの男「転移を確認した、人間の反応もある」

 

所長「!、そいつで問題を解決させるというハラか」

 

黒コートの少年「一体どんな人が?」

 

黒コートの男「反応は複数だが、その中に俺達が探す者は確実に入る」

 

ゼロ「なぜそう言い切れる?」

 

黒コートの男「それはな・・・・・・」

 

しばらくして・・・・・彼らは驚愕の色を隠せなかった。

 

所長「そんなものが・・・・」

 

黒コートの男「まあ凶か大凶ぐらいにしかならんな、殆どの場合」

 

黒コートの少年「それでも手を出しますか」

 

黒コートの男「危険でも使える物なら使うさ、俺が誰なのか忘れたか?」

 


後書きタイム

 

作者「まずは静かな始まりからの波乱!!」

 

統我「こっちの方が波乱の気がしますよ、参戦作品キャラをいじるとは」

 

作者「原案前の話じゃ死者蘇生なしでドッチがいるのは不自然だろ」

 

藤二「ニシサさんはどうなるんですか?」

 

ライト「はい、それも入れてプロローグも過ぎたからキャラ説明

混乱しないようにおおまかな設定がはっきりした奴だけね、敵サイドから」

 

ゲータモン

 

魔王頑駄無とマスターハンドの協力者の内一つの団体が作ったデジモン

名前の由来は「アリゲーター」から取ったもので、

徒党を組んで動き、登場作の敵と並んでキャラ達の行く手を阻む。

今回登場したアサシンのように様々なタイプ・種族がある。

 

ドッチ

 

ネコのシマのボス、「ゴッチ」の弟。

流れ者キッドの反抗的な態度と兄が彼を気に入っている事に不満を持つ。

他のシマに仲間が襲われ、キッドが一人で飛び出す際に兄に暴言を吐き、

ついに怒りを爆発させ、他の不満者と共にキッドとマタタビを襲う。

実は二人同様、道具を使えるネコである事を今まで隠し、奇襲に成功

最期にマタタビをナイフで後ろから刺して転落死したが

今回、デーモン側によりサイボーグとして蘇った。

 

登場作品「サイボーグクロちゃん キッド編」

 

ニシサ「じゃあ次は俺達ね」

 

623(ムツミ) 並べ替えて263(ニシサ)(18)

 

「ケロロ軍曹」「七人のナナ」など吉崎魅音作の作品に登場する人物。

女性に(実は男女、大人子供、猫や蛙まで)人気のイラストレーター&DJ

運動能力、知能が常人の範囲を超え、電波キャッチの能力が

あるので普通の人間ではないと思われるが真意は不明

謎の多い面と不思議な雰囲気を持ち、好奇心が強い事と

作品ごとに設定が↓のように違うのでこれも独自の設定で登場させた。

ケロロ(漫画)は高校生の北城 睦美(数字で623)

ケロロ(アニメ)は中学生のサブロー(623を並べ替えてサブロー(326)

(他二つと違いDJの正体は隠し、知っているのは現時点でクルルのみ)

七人のナナではそのまま623の名でDJとなっている。

今回は流れ者でやはり異世界でも上記の様な少年である。

登場予定は無かったが所々が統我と被ったので組ませて見た。

(もちろん狙ったワケじゃなく小説開始後に知った人物像)

「ケロロ軍曹」とは違うので何故実体化ペンを持つかは今回最大の謎。

わかりづらいが書いてある通り今回の主人公は彼。

 

登場作品「ケロロ軍曹」「七人のナナ」

 

東風 統我(17)

 

今回は一応降りているがこのパートの主人公、完全オリジナル

生まれつき目の病気でオッドアイ、視力が片方だけ低く、

普段は紫外線カットのグラサンゴーグルで日射を避け、目薬を持つ。

運動、勉強(特に歴史)しっかりした優等生で生徒会も務めている。

中でもマット運動とバイクの腕は超が付くほど上手い。

先生、生徒に好かれているが実は酒が大好きという上にマニア。

周囲には気づいてる者も少なくないが大半は見逃している。

親戚には自分の意思で世話になっておらず、一人暮らし

両親のお金とバイトで頑張っている。(ただし明らかに入出が多い)

家事万能で金銭管理もしっかりしているので問題ないがマニア魂も

しっかりするので家は綺麗(?)だが物が大量にある。

夢はアクションスターで、世間デビューという意味でも

ニシサは多方面で先輩なので外面軽口でも内面目上に見る事となる。

マニアやデビューに対する思いが本気で強い事は、

自作キャラクター等をいくつも描いて投稿している事で分かる。

意外にもプライドは人一倍高く、表に出さないが失敗は大嫌い。

現在銃は素人なので「ここぞ」で[確実]な時のみ使う様にしている。

キャラ像は「奇学園生活」的な物であるが話を進める為すぐ出発させた。

 

南条 春(17)  高月 藤二(16)

 

統我の同級と後輩二人

春は本人が好きか分からないがあらゆるゲームを制覇しており、

将来フリーギャンブラーで生活できるとまで言われている。

しかしこれも本人の考えはまったく分からずにいる。

技術には光る物があり、知識も十分持っているが、

それが何のために身につけたか誰も知らない。

藤二は統我の影響か昔話や歴史にはとても強い関心がある。

統我の好奇心はそこまで広く、他人を引き付ける程強い。

統我も彼自身に何かを感じている様な素振りを見せている。

不思議な雰囲気の先輩、後輩と一部に言われている。

ちなみに二人共、統我の収入に疑問持ち(当然と言えば当然)

 

(ろう)(1半)

 

野良犬。彼に関する事は誰も知らず、それでも街に人気がある。

狼という名は独特の雰囲気から統我が呼び、それが街に広まる。

 

統我「こんな感じです」

 

作者「メインとサブで差があるのは、まだ日常にいるからです

プライベートシーンもまだ少ないという事もあるのでご了承を」

 

春「気長に待つさ」

 

ニシサ「キズネコくんを入れた理由を聞こうか、僕は↑に書いてるからさ」

 

作者「やっぱりあの執念深さはライバルや追跡者に向いている、

過去で負けたまま死ぬには惜しすぎるからな。

そして今作の悪も気持ちは同じ、ドッチも無念は多かっただろう」

 

統我「なるほど、復活させる条件はバッチリで本人希望も確実か」

 

春「ところで・・・・」

 

作者「ん?」

 

春「七人のナナのネタ、こっちで名前出すなら話で伏字にする意味・・・・」

 

作者「撃てぇ〜〜〜〜〜!!」

 

ライト「ラジャー!!」

 

バババババババババ!!

 

春「ゴ、ゴム弾!?ちょっ、マジで痛いって」

 

作者「空気を読め、馬鹿者」

 

統我「今のは黙っているのが正解だったな」

 

春「りょ、了解・・・・」

 

作者「では、そろそろ切り上げとしよう」

 

ライト「統我とニシサは世界の先で日本妖怪に襲撃される。

そして彼らの前に現れたのは!?登場するは霊能小説家探偵!!

更に彼らのいた世界でも宿命の戦いが次々切って落とされる!

そして魔王より送られるは恐るべき「次元を超え過ぎた男」でヤンス!!

次回 真直編「光と闇と黄昏の少年達」、さあ活目して見よ!!」

 

ニシサ&統我「待て、次回!!」