「ん・・・・」

ジュナスは、少し狭めの医務室らしき部屋の布団の中で、眼を開けた。
「・・・・あっ、気が付きましたか?」
じょじょに眼の焦点が合ってくる―――――と、自分の顔を覗き込んでいたのが、「人ではない」事に気付いた。
「―――――!?」それが振り返って誰かに呼びかけようとするのと同時に、ジュナスはすざざざっとあとずさる。
「皆さぁん、ジュナスさんが眼を覚ましましたよ〜・・・・・って、あれ?」
振り返り、首をかしげる相手。当然だろう。介抱した相手にいきなり恐れられては、首をかしげるしかない。
「ち・・・ちょっ、君誰!?って言うか何!?」
相手が人で無いからと、誰を何に訂正するジュナス。はたから見ると失礼極まりない。
「―――あぁ、確かに名乗らないと失礼ですよね」
納得して頷く相手。相当の天然なのだろう。それは恐れられる理由としては不自然であることに気付かない。
「僕はフリーダムガンダムです。よろしく」
差し出された手を、恐る恐る握り返すジュナス。どうやら怪しい奴ではないと判断したらしい。
「あ、あぁ、よろしく・・・・・。 ・・・・でも、どうして僕の名前を?」
ふと思った疑問を口にする。もっともな質問だ。
「あぁ、それは――――「私達が教えたのよ」」突如さえぎられるフリーダムの台詞。ジュナスはその声に聞き覚えがあった。
そして、部屋に入ってきた人影を見て、その予想は正しいことが証明される―――。
「リリンさん!!」
そう、声の主は、リリン=プラジナーだった――――――。





数分後、話の舞台は、何故か真ん中にちゃぶ台があり、部屋中にハロが置かれているブリーフィングルームへと移っていた。
「――――そもそも何でリリンさんがここに?」
「アンタ達が出てから、一応3日待ってみたのよ。装置が故障してても無条件に死んだわけじゃなく、どっかに飛ばされただけなんだから、まぁ何とかなるだろうと思って」
「・・・・鬼ですか、アナタは」
ジュナスの抗議をあっさり無視し、さらに続ける。
「けどやっぱり来なかったから、言ったとおり私が直接探しに来たってワケ」
1回無視されたらそれ以上何を言っても無駄だと解っているので、ジュナスは別の質問をすることにした。
「けど、どうしてココが解ったんですか?まさかワザと壊してきたわけじゃあるまいし―――」
と、そのとき背後から。
「それはガラからせつめいするよ〜」
「・・・・・・?」
背後からかかってきた、その幼すぎる物言いに違和感を感じ、振り返るジュナス。
―――するとそこには、不思議な物があった。
「・・・・・・・・リリンさん、すごいですね。しゃべるガラヤカ人形とOMG時代のテムジン人形作ったんですか?でも何でわざわざ持参を――――」
「・・・・ソレ、本物よ。本物のガラヤカとツヴァイ」」
「・・・・・・へ?」
「だから、本物」
この後、専門用語のオンパレードでリリンがジュナスに説明をするのだが、その専門用語が一般人には分かり難い為、必要な部分のみ要約して説明する。
まずリリンはプラジナーブランドのVR「フェイ・イェンVH」に乗り、修理したリバースコンバートでCISへと向かった。
するとフェイ・イェンとリリンの何かを感じ取ったのだろうか、CISではガラヤカが待っていたのである。
以下、そのときの会話である――――。



「―――ガラヤカ!?」
「―――だれ?おねーちゃんみたいなかっこしたばーちゃろいどにのって」
「ガラヤカ、分かる?私よ、リリンよ!リリン=プラジナー!!」
「――――あぁ、おとーさんがときどきガラにみせにきた、あの」
「・・・・『あの』は失礼でしょうが」
「だってそれいがいにいいあらわしかたがおもいつかないんだもん、ところで、こんなところになにしにきたの?ガラをつかまえにきたの?」
「・・・・いや、そうじゃないけど・・・・。 ・・・・そうだ、最近ココに、2体のVRが来なかった?」
「うぅん、ここにおきゃくさんなんて、いちねんちかくきてないよ。もっとも、きてもかえれないんだけどね〜♪」
「・・・・・・恐ろしいことを言うわね。・・・・しかし、それじゃあ2人は何処に・・・・・」
「・・・・・ん?」
「どうしたの?ガラヤカ」
「そういえば、かこのしーあいえすになにかへんかがあったような・・・・・」
「・・・・じゃあ、2人は過去に!?」
「そうかもね〜」
「『そうかもね〜』じゃない! ・・・・そうだ、ガラヤカお願い!私を過去に連れて行ってくれる?あなたなら出来るでしょう?」
「う〜ん・・・・、りりんおねーちゃんひとりならともかく、あのにせものまでもってはいけないよ〜」
「私だけでもいいから!!」
「はいはい、わかったよ、はらちがいのおねーちゃんのためだもんね」
「『はい』は1回でよろしい」
「ガラまだこどもだも〜ん♪」
「一般常識も知らなかったら、お父様に嫌われるわよ?」
「おとーさんのまえではちゃんとできるも〜ん♪」
「・・・・はぁ。わかった、じゃあ早く連れて行ってくれる?」
「はいはい、せっかちなあねをもつとくろうするよ。ところで、「せっかち」ってな〜に?」
「・・・・・・もう何も言う気が無いわ」
「・・・・あ、そう。それじゃ、いくよ〜?」
「さっさと行って頂戴」




・・・・というわけである。
「・・・・じゃ、何で2体はこのサイズに?」
もっともな質問である。VRはもともと人が乗るのだから、18〜9メートル、MSとほぼ同じはずである。
しかし、今は・・・・・。
「SDサイズ、それも人より小さいじゃないですか」
3頭身、デフォルメされているのである。
「う〜ん、それは・・・・・」
さすがにそれはリリンでも説明できず、考え込む。
と、ふいに答えが返ってきた。
「たぶん、ガラたちはじくういどうのときに、なにかのかんしょうをうけたんじゃないかなぁ〜?」
ガラヤカである。
さすが、CISに数十年も閉じ込められているだけあって、その辺については詳しいようである。
「何かって、何?」
「さぁ、それはガラにもわからないけど・・・・・」
しかし、今回の件は、さすがにガラヤカでもそれ以上の事は説明できないらしい。
CISに干渉してくるものは滅多に無いので、ガラヤカがそこにあまり詳しくないのも当然といえば当然か。
「・・・・・とにかく、なにかがこのしーあいえすにかんしょうしているのはまちがいないよ〜」
「・・・・そう」
ここで詰まっては暗くなるので、リリンは話題を変えることにした。
「・・・・ところで、アンタ達運がよかったわね〜。
  空間歪曲装置が壊れてたら、無事に他の次元に移れる確率はほぼ無いのよ?
  ま、今回は座標指定装置が生きてたから、何とか移れはしたでしょうけどね」
「それって・・・・、もしかして無事にここに居れる確率はほとんど無かった、って事ですか?」
「ま、そういうこと。他の次元に行けたとしても、大昔の錬金術のアニメみたく、片腕片足持ってかれてたり、下手すれば魂以外は体まるごと持ってかれてました、って事になるかも知れなかったのよ?」
・・・・リリンは、いつ「鋼の錬金術師」を知ったのであろうか。
「・・・・・」
その事に突っ込みたいのか、それとも恐ろしさに口も聞けなくなったのか、とにかく黙り込むジュナス。
「・・・・んでその話は置いといて、これからどうするの?」
「これから・・・・・、ですか?」
「私はアンタだけ連れて帰っても良いんだけど・・・・・、アンタはそれなら残るって言うだろうし、ハッターが化けて出そうだしね」
ハッターが化けて出てくる・・・・・、2人(と2体)は想像してみる。
『友よーっ!俺はこれから、お前を一生呪うっ!ぞっ!!』
「・・・・・ぷっ」
はからずも同時に吹き出した。
「それは見てみたいですね・・・・。けど、僕はハッター軍曹を助けます」
「大丈夫、そう言うと思って、この艦のクルーにはすでに了解を取ってあるわ」
「リリンさん・・・・・」
「『総帥』でしょ?ほらほら、艦橋にはクルーが勢揃いしてるわよ?とっとと挨拶してきなさい!」
「はい!」
駆け出していくジュナス。リリンはその背中を、優しい眼で見つめていた――――――。











酢捨痕餓鬼!!

リリン(以下リ)「さぁて、今回もおなじみこの時間」
ジュナス(以下ジュ)「何ですかコレ!?全然知りませんよ僕!!しかも『も』じゃ無いでしょ!!今回が初めてでしょ!!何ですかおなじみって!!」
リ「はいはい、うっさいうっさい。今から読者の皆様方に説明するんだから。
ここは、上の小説についての裏情報、裏設定、ボツネタ等を紹介していくコーナーよ。つまりネタバレね。
                            ちなみに基本メンバーは私、ジュナス、ツヴァイ、ガラヤカ。そして毎回ゲストが登場するわ」
ツヴァイ(以下ツ)「そして、今紹介してもらったツヴァイと」
ガラヤカ(以下ガラ)「ガラで〜す☆」
フリーダムガンダム(以下フ)「そして、今回のゲストのフリーダムガンダムです」
ジュ「・・・・あの、いろいろ突っ込みたい点があるんですけど、いいですか?」
リ「ちなみに、『タイトルは適当な当て字じゃないか』とか『VRは出てこなくてもいいんじゃないのか』とか『そう簡単にネタバレしていいのか』とかそういう抗議は一切受け付けてません」
ジュ「・・・・うわぁ、完全無視の上に僕の言いたいことピンポイントで当ててる・・・・・」
ガラ「りりんおねーちゃん、じゅなすおにーちゃんが、なにかこうぎしてるよ〜?」
リ「ちなみに無いとは思うけど、万が一そういうことを言った場合は切腹ね」
ジュ「切腹!?」
ツ「そうらしいな、成仏せぇよ・・・・・」
リ「いや、今のは私が言う前だったからノーカン」
ジュ「・・・・セーフ・・・・」
リ「さっ、どうでもいいことをダラダラと喋ってないで、ちゃっちゃと言って終わらせるわよ?
   では、1つ目のネタバレ!!」


最初は、リリンも一緒に出撃するという設定だった



ガラ「へぇ、へぇ、へぇ」
ツ「へぇ、へぇ、へぇ、へぇ」
フ「へぇ、へぇ」
ジュ「へぇボタン!?」
リ「私は他のところの長所は積極的に取り入れる主義だから。
ちなみに私以外の4人で40へぇ、残り60へぇは読者の皆様方の独断と偏見により押されるわ」
ジュ「・・・・そうですか、では・・・・。
            ・・・・・・へぇ、へぇ、へぇ」
リ「はい、よくできました。
   これはね、行動力に優れる私が、『平和への進歩の瞬間を見届けたいから、一緒に行く』と言って、ガラヤカ(レプリカ)で出る予定だったのよ。
   ・・・・結局、『総帥と言う立場上、そう簡単にそういうことは出来ないだろう』と言うことで、ボツになったけどね」
ジュ「ま、リアルさを追求すればそうなりますよね」
リ「では、精算だけど・・・・。
   今回は52へぇだったから、52人のコングマンを送りつけるわね?」
ジュ「いや、ここには40へぇしかありませんって!しかも全員押してないし!!
しかも貰える物怖っ!?何ですかコングマンって!?」
リ「見ての通りよ」
ツ「・・・・次回のネタバレだな・・・・。  しっかしコングマンとは、またマニアックな物を」
リ「このボタンと裏設定を書く基になった『テイ○ズ裁判』からよ。
そのアイディアに感謝のしるしとして、賞品にしたら面白そうなテイルズキャラを選んだだけよ。ま、そのうち出るけどね」
ジュ「あっさり白状!?」
ガラ「・・・・さっきから、ぼくとふりーだむのおにいちゃんのでばん、ぜんぜんないんだけど〜」
リ「はいはい、今出たでしょ?続いて2つ目」
ジュ・フ「さらっと流した!?」


実は、ジュナスを介抱した人は、ほかのHPの看板娘と言う設定だった



ジュ「へぇ、へぇ」
ツ「へぇ」
ガラ「へぇ、へぇ、へぇ、へぇ、へぇ」
フ「へぇ、へぇ、へぇ」
リ「解説行くわね。これは、冒頭でジュナスを介抱する人物が、実はフリーダムではなくて他のHPの看板娘『あいん』と言う設定だったのよ」
フ「『あいん』について知りたい方は、作者のHPにヒントがありますので、探してみて下さいね〜^^」
ジュ「いいんですか!?いいんですかそんなこと簡単にバラして!?」
リ「え〜っと、精算は・・・・」
ジュ「・・・・やっぱ無視ですか」
リ「何とっ!100へぇ逝きましたのでっ!!
送ってくれた方には100メートルスタンを差し上げますっ!!」
ジュ「何ですか!?何なんですかそれは!?しかも僕満へぇ入れてませんよ!?
しかも半分ネタバレ入ってるしっ!!」
リ「では、この辺でスパッと切ります。さよなら〜^^)ノシ」
ジュ「えぇっ、ちょっt・・・・(強制終了)





だいぶ掲載が遅れちゃいましたが
第1話ということで旅立ち的な書き出しで
鋼の錬金術師を例えに出してきたのは解かり易くてナイスです。
裏ネタにも笑わせてもらいました!

カイルさん、ありがとうございます