ザ・グレイトバトルスペシャル 〜3〜 バトルコマンダー前編 「暗躍」

 

 

 

ロア(エミィよ 今日も勉強をしてなさい 私はまた食料を調達してくる)
エミィ(ええ・・・もう私いろいろな事を学んだわよ?もういい加減 狩りに連れてってくれてもいいんじゃないかしら?)
ロア(しかし、暴力を嫌うおまえだ 表の世界から食料を調達するときに現地の人といざこざがあったらどうするんだ?)
エミィ(そのときはそのときよ。兄さんがなんとかしてくれるんでしょ?)
ロア(む・・・そんなようではまだまだ連れて行けないな)
エミィ(そんなー!もう私だって影の一族の長の仕事あきたわよ・・・ そろそろ外で動きたいわ)
ロア(おまえはまだ影の一族の長としての責任について学ぶべきだな・・・)
エミィ(くすくす)
ロア(ふ・・・では行ってくるぞ 留守番を頼む)
エミィ(もうしょうがないなあ・・・行ってらっしゃい)

 

 

エミィ「ダメ!!!行っちゃダメ!!!」

 

エミィが起きあがった。どうやら夢だったらしい。ロアに気絶させられ、気を失った。そのあとは覚えていない。

 

見回してみると、どうやら自分はどこかの医務室に連れられてきたらしい。

 

???「やっと気が付いたか」
エミィ「誰?」
???「おいおいお嬢ちゃん、こういうときは立場が弱い方が名乗るもんだぞ」
エミィ「え?あ、はい・・・エミィと申し・・・って、あなたはゴッドマジンガーさん?」
???「いまはチーフマジンガーだ。久しぶりだな、お嬢ちゃん 元気していたか」

 

チーフマジンガー
太古の昔から存在していた魔神族であり、裏世界の存在を知っている。ロアとチーフマジンガーは酒を飲み交わす親友の間柄であり、また剣術上のライバルであった。
当然、エミィとも知り合いである。

 

エミィ「チーフマジンガーさん!実は・・・っ痛!」
チーフマジンガー「お嬢ちゃんはまだ安静にしてなさい。」
エミィ「でも!」
チーフマジンガー「わかっているよ。おまえの兄さんのことだろ?」

 

エミィはこれまであったことをチーフマジンガーに話し始めた。

 

エミィがまだ幼い頃、ロアが狩りにでかけているときに村で反乱があった。

 

反乱の首謀者はダーグブル。

元をたどればロアとエミィと同じ一族の人間である。

 

エミィにもうアタックするがいつもふられてしまう、ちょっと狡猾な男であった。もともと反乱を起こせるほどの度量があったわけではない。

 

しかし、突如残忍な性格になり、古のダークブレインが率いた、もっとも邪悪なる骨騎士、水晶龍、大巨人の眷属の3体を召喚。
エミィ達は影の一族はバラバラになり、なんとかエミィはロアのもとにたどり着いたが、すでにロアもダーグブルの傘下に降っていたのである。

 

ダーグブルはリバース軍というのを結成し、そして表の世界に侵出しようと策略し、時空の壁を破壊したのであった。

 

チーフマジンガーがエミィの話を聞き終えると妙な面持ちで考え事を始めた。

 

チーフマジンガー「おぬしはこの近くでロアに襲われたのか?」
エミィ「いえ、カルケディスの森で戦闘していて…」
チーフマジンガー「・・・・」
エミィ「どうかされましたか?」
チーフマジンガー「いや、なんでもない。とにかく傷が癒えるまでここにおるのだ」

 

チーフマジンガーが医務室をあとにし、自分専用の稽古場に入った。鉄に囲まれた閉鎖空間。その中にあるのは巨大な鋼の塊のみ。
おもむろに自分の持つ剣を構えた。持つは巨大剣「魔岩剣」そして構えはロアとエミィと同じ青眼の構えである。

 

チーフマジンガー(エミィを助けたのはおまえか?しかし、事実がどうであれ戦争を拡大させた罪は重い…)

 

そして、チーフマジンガーは剣を振り下ろす。

チーフマジンガー「どうあれ、いずれ戦うときがこよう!たあああぁぁぁぁぁ!!」

 

チーフマジンガーの巨大剣を振り下ろした先には鋼の塊ではなく部屋の床であった。しかし、刹那。鋼の塊に亀裂が入る。あまりに強烈なその剣圧で鋼の塊が一刀両断したのだ。

 

チーフマジンガー「せめて、葬るなら私の手で!ロアよ!」

 

 

その2時間前、カルケディスの森の戦いは日出族が森林要塞を失うなどの大きな打撃をうけ敗退した。

 

エルガイムMK-II「なんてことだ あれだけの兵力を使いながら負けてしまうとは・・・本当は自分一人になってでも戦いたいところだがまだ私には守らなければならぬものがある。」

エルガイムMK-IIは拳をにぎりしめる。

エルガイムMK-II「しかし私はあきらめんぞ!必ず貴様らを倒してみせる!死んでいった多くの仲間達のためにもな!覚えておくがいい!!」

 

そして機動族は村人からの苦情の処理に困っていた。

F91「仕方ないさ 彼らの生活の一部だった森を消してしまったのだから。戦争で苦しむのは兵士達だけじゃないんだよ」

 

 

 

機動族と日出族の戦争はさらに泥沼と化していたのであった。

 

 

エミィはこの混沌の中をどう切り抜けるか?

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