ザ・グレイトバトルスペシャル 〜4〜 バトルコマンダー前編 「疑念」

 

 

機動族と日出族との攻防戦の中、魔神族だけは同種族の反乱軍によるクーデターに苦しんでいた。

 

マジンガー「同族で戦っている場合ではないというのに・・・」

マジンガーはこの戦いに疑問を少なからず抱いていた。クーデターのタイミングがあまりにもできすぎていたからである。

 

機動族と日出族の戦いをしている。そんな中で内部と揉めている場合ではないことは確かだ。
いくら族の意向に反抗的な者がいたところでこのタイミングで仕掛けることがどう考えてもおかしいのである。マジンガーはその疑問を胸に秘めつつも反乱を次々と鎮圧していった。

 

反乱軍掃討作戦の最終段階に入り、いよいよ最後の作戦会議をし始めた。薄暗い部屋に長い机。マジンガーを上座に魔人族の精鋭が肩を並べて座っていた。

 

マジンガー「これより作戦会議を始める」
グレートマジンガー「この戦いを制すればようやく違う種族に眼を向けられるな」
ゲッター「しかし、そう簡単にいくまい 情報による敵はミサイル兵器まで所持していると聞く」
アフロダイ「だったら、戦力を分散して敵を攪乱するのはどうかしら?・・・マジンガー?」

アフロダイがマジンガーの神妙な面持ちに気づく。

マジンガー「・・・なぜ敵はミサイルまで持っているんだ?」
ゲッター「そりゃおまえ・・・開発したからに決まっているだろ?」
マジンガー「しかし、これまで戦ってきたところは湿地や岩山だらけのところだった。
       ミサイル開発できる資源があるとは思えんし、そもそも資金はどう調達する?」

皆がはてな顔をしている。しばらく討論をしていたが確証ある答えは出なかった。

 

グレートマジンガー「もしかしたら、機動族か日出族が裏で俺たちを牽制するための資金を流しているのかもな」
アフロダイ「そうよ!きっとそうだわ」
マジンガー「・・・かもしれん」
ボスボロット「作戦開始時間30分前」
ゲッター「時間がないな 作戦をまとめるぞ!」

 

マジンガー以外は鎮圧作戦の会議に夢中だったが、マジンガーだけはどうしても今回のクーデターの意図が疑問であった。だが、そのこうしているうちにクーデターを鎮圧してしまったのである。

 

反乱軍首謀者と思われし人物が立てこもっている砦に突入したマジンガーは砦内を組まなく捜査した。

 

兵士「隊長!敵の首領らしき人物がすでに自殺しております!!」
マジンガー「くそ!トカゲのしっぽ切りか!これでは真相解明は不可能だ・・・」

 

マジンガーは基地に戻ってきたところに、チーフマジンガーの紹介でエミィに会った。

 

エミィ「はじめまして。私 エミィと言います。実はお願いがあってやってきました。機動族と日出族の争いをやめさせるのに協力してほしいんです。今 やめさせないと大変なことになります。」

マジンガーはエミィに会った途端、妙な感覚に捕らわれたが、それが何かわからず、ただ答えに窮した。

マジンガー「あいつらを説得しろというのか?今のあいつらに何を言っても無駄だよ」
エミィ「ええ 多分そうでしょうね。だから今すぐとは言いません。私はもう一度あなたたちに会いに来ます。そのときはお願いします。ありがとう。感謝しますわ」

 

しかし、エミィがその提案をしてる間、機動族と日出族の決戦がすでに終わっていたのである。

 

チーフエルガイム「我が種族のため残念だが我々はいまここの機動族に対し無条件降伏することを宣言する」
スカルジオング「さすがは日の出族長 賢明な選択ですな 感服いたします 無条件降伏を受け入れましょう」

エルガイムMK-IIの顔がみるみる引きつっていく。

エルガイムMK-II「なんてことをっ!私は降伏などしませんよ!機動族のために私の兵士達が何人死んでいると思ってるんですかっ!」
チーフエルガイム「残念ながらこれ以上犠牲を出す訳にはいかない!!」
エルガイムMK-II「死んでいった兵士達のことを考えたら私だけ降伏して生き延びる訳には行かないんですよ!こうなったら死ぬまで一人でも多くの機動族を道連れにしてやる!
         このプラネットボンバーで!もっと早くこれが完成していればこんなことにはならなかったかもしれないのに!」

 

エルガイムMK-IIは涙を流していた。血と涙が混ざったまさしく血の涙だった。

 

エルガイムMK-II「・・・たった今から私は日出族の兵士でも何でもない!俺はただのテロリストだ!!」

 

エルガイムMK-IIの憎悪はもはや族長の言葉すらも通じないレベルにまで到達していた。

 

スカルジオング「フッ!愚かな奴だ!私たちに刃向かうとどうなるかいい見本となるだろうよ」
エルガイムMK-II「それはどうかな!?プラネットボンバー発射!」
F91「なっなんだ!?うわー!」

 

F91率いる機動族部隊とエルガイムMK-II部隊はともに消えてしまった。

 

 

ついに3種族が相まみえるときがきた。それは最悪の瞬間になるか、それとも・・・

次回 ザ・グレイトバトルスペシャル 〜5〜 バトルコマンダー前編 「鉄の匂い」