ザ・グレイトバトルスペシャル 〜5〜 バトルコマンダー前編 「鉄の匂い」

 

 

プラネットボンバーで飛ばされたF91達は日出族と魔神族との挟撃に苦しんでいた。

 

グレートマジンガー「よし、一気にたたみかけろ!」

 

魔神族は反乱鎮圧後急いで、機動族と日出族の戦争に参戦。そこで進軍中の機動族を発見し、これを迎撃することにした。

 

F91「く、後ろに日出族がせまっているというのに!」
ZZ「このままでは全滅だ!」

 

出会いがしらの戦闘では作戦が前もって立てられないため、指揮の判断力が勝敗を分けることが多い。しかし、マジンガーの指示は精細欠いたものであった。

 

ゲッター「マジンガー!機動族を倒すために指示してくれ!」
マジンガー「・・・」

 

マジンガーにはエミィの言葉が離れなかった。それはマジンガーの太古の記憶の中に埋もれた何かを刺激していた。

マジンガー(影の一族・・・)

しかし、マジンガーにはどうしてもそれが思い出せなかった。

 

ゲッター「マジンガー ぼーっとしちゃだめだ!」
マジンガー「っむ、敵は?」
グレートマジンガー「・・・山腹を抜けてしまった これでは挟撃はもう無理だな」
ゲッター「追撃すればどうにかなるかもしれん どうする?マジンガー」
マジンガー「いや、やめておこう・・・機動族のことがまだよくわからないから危険だ」
ゲッター「む、マジンガーがそういうなら仕方あるまい」
マジンガー(俺は何をしてる!ここで追撃すれば機動族を倒せるのに!しかし、どうしても彼らを倒してはいけない気がする!なぜだ!)

 

3種族相まみえたが事態は悪化の一途をたどる。しかし、エミィの出現によって確実な変化が現れてきたのであった。

 

 

エミィは魔神族の陣営を離れ、一人は荒野の中を歩いていた。所々で見る死体と弾痕の数々。あのときの自分が無力でなければこんなことには…。

 

昔、戦争が始まった当初、エミィは日出族の族長と真剣な会談をしていた。

 

チーフエルガイム「なるほど、最終的にはどうすればいい?」

エミィ「この戦争をやめてほしいのです。3種族が仲良く共存できなければいつまでも争い耐えないでしょう。いまここでこの戦争をやめなければ大変なことになります。」

エミィは熱弁を奮う。

エミィ「3種族の力のバランスが崩れたときを狙って待ちかまえてる本当の敵がいるんです。その敵の名前はリバース!この世界に住む種族すべての敵です。」
チーフエルガイム「もしそれがほんとうだとしても私にはこの戦争をやめる決定はできない勝手にそんなことをしたら、機動族に一方的に占領されてしまうに違いない。」

エミィの顔が曇る。

チーフエルガイム「だが、防衛戦が終わればただちに休戦するつもりだ。全力で君に協力しよう」

エミィの顔に笑顔が戻った。

エミィ「ありがとうございます!では、私は機動族の族長に戦争をやめさせるように説得してきます。」

 

この戦争が激しさを増す前にエミィは3種族の争いを防ぐために族長会談をすることにしていた。チーフエルガイムはこの戦争の回避するための行動を起こそうとした。
しかし、リバース軍の魔の手は族長にも忍び寄っていたのである。

 

チーフガンダム「この戦争はもはや止めることはできんよ」

エミィ「そんなっ!あなた達は何のために戦っているの?種族のため?それとも名誉のため?そのために他の種族はどうなってもいいの!?
     種族や領土などという考え方をなくせばみんな仲良くやっていけるはずよ。このままいけばいつかきっと後悔するわ。」

エミィは議論が進まないことに苛立ったがどうすることもできなかった。

エミィ「これ以上話しても今のあなた達には無駄みたいね!またいつかそのときにはリバースの存在がはっきりしてるはずよ!」
チーフガンダム「もはや小娘の話など聞いてはおれん。誰かこいつを追い出せ!」
部下「っは!」
エミィ「言われなくても出ていくわ!私は絶対にあきらめないませんからっ!」

 

エミィは毅然とした態度で部屋をあとにした。

 

チーフガンダム「・・・これでよいのだな?スカルジオングよ」
スカルジオング「はっ!賢明な判断でございまする。小娘の世迷い言に惑わされてはなりませぬ」
チーフガンダム「うむ。よし、F91と協力して日出族を徹底して攻めよ。」
スカルジオング「かしこまりました・・・」

 

スカルジオング(ふふふ、リバースに利用されてるとも知らず愚かな。日出族を倒したらもはや貴様は不要。そのとき貴様の命はない。せいぜい自分自身の寿命を縮めるがよい!ははははは!)

 

落胆したエミィが数日ぶりにチーフエルガイムの所に戻ってきた。しかし、なにかがおかしい。

 

エミィ「あなた、チーフエルガイムじゃないわね!!」
チーフエルガイム「くくく、貴様が機動族に行っている時間を有効に使わせてもらった・・・」

 

そういうとチーフエルガイムの後ろから黒い靄が!!黒い霧はエミィがもっとも憎む者へと姿を変えた。

 

エミィ「ダーグブル!」
ダーグブル「久しぶりだな エミィよ・・・うれしいな、君にまた会えるなんて この戦で死なないように祈っていたよ」

 

エミィは怒りで殴りかかりたい衝動を抑え、歯を噛みしめて剣に手をかけた。

 

エミィ「ダーグブル!あなたのしたことは決して許さない!」
ダーグブル「ふ、私がここにいないことを承知で剣を抜くか・・・愚かな」

 

エルガイムがあるボタンを押した。通報ボタンである。

 

チーフエルガイム「誰か!であえであえ!」
エミィ「く!」

 

エミィは窓を割って外で逃げ出した。

 

ダーグブル「ふ、せいぜい私を楽しませるがよい」

 

今でもわからない。ダーグブルが反乱を起こした原因と力を得た理由が。ダーグブルのせいで影の一族の魔力は消え去り、反乱が起き戦争が起きた。

 

ダークブレインが太古に率いた神々の一族すら操る力をもっている。確かに影の一族は古代に召喚戦士サモンナイトとして活躍した実績がある。
影の一族はロアのファイアードラゴンなど代表する多彩な召喚術に精通していた。しかし、神のレベルの召喚はよほどの魔力がなければできない。
ましてや、それが3体もいる。

 

エミィはどうしてもダーグブルの裏の存在を感じつつにはいられなかった。

 

エミィが死体を見る度に噛みしめる鉄の匂い。彼女自身が3種族の争いを止められるかどうかわからなかった。しかし、じっとしてはいけないと我を奮い立たせるのであった。

 

 

エミィが戦争を回避にひた走るなかとうとうリバースの実態があきらかになってきた。果たしてリバースとは一体?

次回 ザ・グレイトバトルスペシャル 〜6〜 バトルコマンダー前編 「影の存在」