「良く出来ました。おやすみ、KOS−MOS」
「あの時、ベガは彼の手で死んだ筈よ?!」
『アリスという名を持つ者は、揺らぎの中から人と出会うであろう』
ナムコXカプコン
「……で、ナムコシアターに行く途中でそんな事が起きたというわけか」 某無免許黒い医者を連想させる白黒(医者とは色は逆位置)髪の男性が腕を組んで言う言葉に、 「どうやらさっきの力はシギリアの血を持つ者って名乗った奴と見ていいみたいだな」 「そのようじゃの。さっきの地震でメテオで地面が押しつぶされるかと思ったぞ」 「ゲームと現実を一緒にするな」 へ? 「あ、あの……二人は何者なんですか? 「……」 「絶対警察関係者じゃありませんよね?」 男性がどう言おうか悩んでいる時に唯はあえて付け足す。 「君の読みどおり、俺達は警察関係者じゃない。 「森羅というのは裏で働いておる組織のことじゃ。 「要するに対オカルトってわけですかい」 例えに対して思わず唯がツッコミを入れてしまう中、 「そう言えば名乗るのを忘れておったのぉ。 「変なことを吹き込むな。それに第一お前はこうでもしないと仕事をサボるだろうが」 小牟と名乗った女性の言葉に対して零児という名の男性は 「だからってわしのヘソクリを盗るでない! 「だったら今度からもっと別の場所に隠せ。あそこはバレやすいぞ」 「大きなお世話じゃ!!」 零児の注意に対しても小牟はヤケクソ気味に怒鳴る。 「おっ、来たようじゃぞ。零児!!」 「そのようだな……。確か唯と言ったな。 零児の言葉に対して唯は頷くとその場にしゃがみこむ。 「銃の型で行く! 小牟、手伝え!!」 「分かっておる! ちゃんとフォローはしてやるわい!!」 二人はそう会話すると三方にいる敵にそれぞれ拳銃を向けると、 「グギャァ!!」 「ヒデブゥ!!」 「イッカイダケデイイカラ、ステーキガクイタカッタァー!!」 それぞれ意味の分からない悲鳴を出してゆく鎌鼬は 「うわっ……」 しゃがめってこういう意味だったんだ。 「……終わったから顔を上げていいぞ」 「今の音ってもしかしなくても鎌鼬消滅音ですか?」 「あぁ、一匹残らず倒したところだ」 零児の言葉を聞いて唯は立ち上がって周りを見渡す。 「あっ、そじゃ!! 零児、ヘソクリ返せ!!」 小牟はふと気付いて零児の腕をつかんで要求する。 「分かった分かった。まず本部に着いてから……」 「ってかヘソクリいくつあるんですか?」 「5万以上はあるわい!!」 唯の質問に小牟がやや乱暴気味に答える。 「……待て、お主等」 「ん? ヘソクリはいらんのか?」 「ちゃうわい!!」 零児の言葉に小牟がツッコミを入れる。 「まだ分からんのか、おぬしは……」 「お前なぁ、それで分かるとおもっ…… 零児も何かを感知したらしく気を引き締める。 ドォォォォォォォン……!! 地面が歪むような感覚に一瞬襲われたと同時に 「うわっ! また妖怪さんが出た!!」 「おっ、新参者じゃな……。 唯の言葉に続けるように小牟が続けるように言う。 「体が透けているとこからして幽霊だな。 そう言って金をゴブリンの一体目掛けて撃つ!! ……スッ 「「あ」」 しかし銃弾がゴブリンを通り抜けてしまった。 「ちゃんと霊体処理は済ませてある銃弾でやった。 「いや、奴等はしっかりと地面を踏んでいる。 小牟が腰に手を当てて零児に助言する中、 「……最悪、逃げるしかないかもな」 「はぁ!? 零児、正気かぁ!!?」 「相手を攻撃出来ないんだ。向こう側は分からないけどな……!」 小牟が目を見開いて驚く中で零児が答える。 「来なくて良いですってば〜!!」 唯が半分悲鳴が混じった声を出す中、 「くそっ、小牟! 縛の型は出来るか!?」 「聞くかどうか分からんが、とにかくやって……」 小牟が言っている途中で、突然三人とゴブリン達の間に ズドオォォォォォォォォン!!!!!! 「「「!!!??」」」 その音に反応して三人が光を見ると、 「オリカビですかー!?」 「おいおい、今度は何じゃい!?」 「こんな時に何者だ!!」 唯と小牟が驚きで叫ぶ中、零児が刀の一つ「火燐」を抜く。 『……有栖、仙狐、末裔、か。 良く見ると鎌の向こうにいるゴブリン達がこちらに来れない。 「いや、あなたは誰ですか?」 『……名は無い。門は我を門番と呼ぶ。 そう言うと門番と名乗った球体は鎌を残したままその場から消滅する。 「あいつ、一体何だったんだ?」 「でもある意味危機一髪……」 零児が不思議がる中で、唯がホッとしたように呟く。 「零児! またゆらぎが来るぞ!!」 「なにっ!?」 その言葉を聞いた零児は後ろを振り返り、金を向ける。 「……メガネ、無表情、ロリ。色々取り揃えてきおったのぉ」 「何気にSFチックですね」 唯が小牟に続くように呟く。 「う、うぅ……。こ、ここは?」 「シオン、お怪我はありませんか?」 小牟曰く「無表情」の女性はシオンという名らしきメガネに声をかける。 「えぇ、大丈夫。それにここはあなたのエンセフェロン内よ。 「あ、あの……シオンさん……」 意味不明の単語を出して説明をしていたシオンに 「えぇ!? も、M.O.M.O.ちゃん!? シオンがロリ……M.O.M.O.の発言に驚く中、 「おい! ここは完全閉鎖地区だぞ!! 「え、えぇ!? ち、ちょっと……KOS-MOS!」 その発言に対してシオンは驚きの声を上げると 「ここは仮想空間ではなく、現実の世界です」 「そんな! ここはエンセフェロン内じゃ……!!」 「それじゃここは何処なんですか?!」 「そ、それは……」 混乱を始めてしまう三人組を見て、 「一体何の話をしてるんだ……」 「えーと、何かエンセフェロンとか仮想空間とか言ってますね」 「それは分かってる。 唯にツッコミを入れた後、零児は三人に声をかける。 「民間人は早くここから逃げろ! ガゴォッ、ガゴオォッ!! その直後、何かがぶつけられる音が聞こえてくる。 「ぐ、グノーシス!? そんな、どうしてこんなとこに!!」 「驚いてる暇があるなら早く逃げろ!!」 零児はそう言うと金を握り直す。 「お心遣い感謝します。シオン、ヒルベルトエフェクトを使用します」 「駄目よ、KOS-MOS。不確定な状況下では危険すぎるわ!」 その発言で我に返ったシオンはその提案に否定するけれど、 「今の状況の方が危険と判断します」 「シオンさん! このままじゃあの人達が危険な目に合ってしまいます!!」 KOS-MOSに続くようにM.O.M.O.が言った直後、 ドッガァァァ!!!! 「…………!!」 鳴き声(深呼吸にしか聞こえない)を出しながら、 「オレサマ オマエ イタダキマスって奴じゃの!」 「適当なニュアンスはせんでいい!!」 小牟の言葉に対して零児がツッコミを入れながら、 「くっ…! KOS-MOS、ヒルベルトエフェクト発動!!」 「了解しました。ヒルベルトエフェクトを発動します」 その命令を聞いたKOS-MOSはバイザーからスコープがスライドして パァーンッ!! 「…………!!?」 それはゴブリンの身体を貫き、撃たれたゴブリンは地面に落ちる。 「この場で滅ぼす。いいな、小牟?」 「合点承知の助じゃ! 任せい!」 零児と小牟は走りながらそう会話すると 「火燐!」 まず零児が火が宿っている刀でゴブリンを切り、 「銀(シルバー)!!」 次に小牟がゴブリンに向かって銀で数発撃ち込み、 「地禮!!」 流れ込むように零児が雷が宿った刀で切って、 「水燐!!」 今度は小牟が錫杖に仕込んであった水が宿った刀で十字に切り、 「柊樹(ハリウッド)!!」 トドメとして零児が柊樹で撃ち込む! それでやられたのか、スゥッと消えていくゴブリン。 「結果は重畳の至り…といったところか」 「うむ、結果は極上の至りじゃ」 二人がそんな会話をする中で 「これより、近接戦闘を行います。 ビームソードでゴブリンに先手を取り、 「S−SAULT!」 サマーソルトキックのように回転しながら 「F・GSHOT!」 巨大なマシンガンを取り出してそれでゴブリンを撃つ!! 「――――!!」 ゴブリンは悲鳴のような鳴き声(しつこいようだが深呼吸にしか聞こえない)を 「X・BUSTER!!」 そう叫ぶと同時に放たれるのは巨大なレーザーで、 「勝利は、私に課せられた任務です」 KOS-MOSはそう言うと腹部のアーマーを元に戻していく。 「……早業……」 唖然になりながらも唯は呟くと、 「戦闘だって出たトコ勝負です! まずM.O.M.O.がロッドを使って鐘のようなものを召還して 「スロットシュート!」 素早くシオンがゴブリンに近づいて 「コンパウンドボウ!!」 M.O.M.O.が弓を出して後方からゴブリンへと放ち、 「エレクトゲイザー!!」 シオンはM.W.S.から電気を発生させて、 「スペルブレード!」 そう言うとシオンはゴブリンに出来るだけ近づくと 「しのばれど、築き屍 修羅の道。月みしたびに、涙流るる」 言い終わるとゴブリンに背後を向ける。 「私達の勝ちよ、M.O.M.O.ちゃん」 「はい! モモ達がウィナーです!」 シオンとM.O.M.O.が喜ぶ中で、 「門番さんの予言が当たった……」 「え? モンバンって?」 「言葉の通り、門の番をする者の事を意味しています」 「「いや、それじゃないって(じゃろうが)」」 KOS-MOSの言葉に対してシオンと小牟はツッコミを入れる。 「あの、門番さんって何かあったんですか?」 「あっ、うん。実は……」 唯が説明しようとした時、自分達がいる方向とは 「また民間人が紛れ込んできおった……って、 「いや、身のこなしを見る限り素人じゃない。 零児がそう言うと同時に一同に緊張が走る。 「シンラのエージェント、 髪が一番短い女性……ユーニは零児を見て 「情報通りだな……。隣の小さいのは?」 「センコ・シャオムゥと確認。 ユーニはキャミィの質問に対して、 「データが存在しない者達に対してはどうしますか?」 「任意で排除しろ。私はシンラ本部に向かい、あの方と合流する。 キャミィはそう答えるとその場から撤退する。 「了解しました。これよりサンプリングを行います」 「任務:了解。モード:移行」 二人はそう言うとこちらに向かって接近してくる。 「小牟!」 「言われなくても分かっておるわい!」 零児が名を呼ぶと素早く小牟が前に出ると 「白虎砲!!」 直後、虎の顔をした白い波動がユーニとユーリ目掛けて発射される!! 「一方方向にしか放たれないと判断。 「提案:同意」 ユーニの提案にユーリが同意すると二人は左右に大きく離れると 「あらま」 「あらまじゃないですよ! 「すまんの〜。わしの攻撃はほとんどが一直線もんじゃ」 「聞きたくなかった答えを出してほしくなかった……」 「漫才している場合じゃないだろ」 小牟と唯の会話を聞いた零児は呆れながら呟く中で、 「相手は明らかな敵意を持っています。 「半殺しで抑えておけ」 零児の答えに対して、怖っと声を漏らす小牟。 「あなた達、待ちなさい!!」 彼女の姿を見て、思わず唯はギョッとして質問してしまう。 「あの、自分の年を……勘違いしてませんよね?」 「君、そういう発言は駄目だと思うんだけど……」 シオンが呆れたようにツッコミを入れる中で 「えぇ!? ちょっとここは完全閉鎖地区なのよ! 「それはこっちの台詞だ! 零児が素早く反論する中で、 「私は春麗。ICPOシャドルー特別捜査官の春麗よ」 「シャドルー……、シャドルーだと!?」 「って事はあのコンパニオンどもはベガ親衛隊か!!」 零児と小牟が迫ってくるユーニとユーリが何者なのかを 「零児さん、小牟さん……何かシャドルーにやりました?」 「「やってない!!」」 ハモりながらの即答にそりゃそうだ、と唯が納得する中で 「あっ、KOS-MOS!?」 「ターゲット“ベガ親衛隊”の二人を排除します」 シオンが止めようとするけれどKOS-MOSはそれを無視して、 ブンッ 「過去サンプリングデータに該当記録なし」 その攻撃を間一髪で避けたユーニはKOS-MOSに対して冷静に分析する。 「詳細解析困難…」 「防衛のため、戦闘行動を開始します」 後の言葉を言ったのはユーニではなくKOS-MOSで、 「スパイラルアロー!」 先に攻撃してきたのはユーニで、 「ヴっ……」 その攻撃を食らい、上に少し飛び上がってしまうけれど ドドドドドドドド!!!! 「……作戦行動の妨げと判断」 銃弾の一部を食らいながらもいくつかは避ける中、 「オウッ!」 思わぬ攻撃にユーニは避けきれず、 「わしの青龍槍はどーじゃ! こいつは痛いぞ〜!!」 得意気に喜んでいる小牟を見て、 「小牟、お前はあいつのサポートをやっとけ。 そう言って零児は春麗と応戦しているユーリの方へと向かう。 「……何でこうなるの?」 チームカルテットでバトルミュージカルを見に行く筈が、 「天昇脚!!」 「キャノンスパイク!!」 春麗とユーリが互いの蹴り技で攻撃している中で、 パーン! 「「!」」 二人は左右に飛び避けるように銃弾を避ける。 「あっ、はぁっ!?」 その突然の攻撃にユーリは二発避けれたけれど、 「受けなさい! 鳳翼扇!!」 流れるようにユーリを蹴ってゆき、 「ハァッ!」 その攻撃が致命傷になったのか、 「あっ、待ちなさい!!」 「おい、深追いは危険だぞ!」 「あなたに言われる筋合いは無いわ!!」 零児の忠告も無視して春麗はユーニ達を追ってこの場から離れていった。 「ど、どうしたの!?」 「れ、零児! 流れ弾食らわせたのか!?」 「向けてない」 シオンが驚く中で、小牟のボケに零児がツッコミを入れる。 「た、唯単に腰が抜けただけです! 喧嘩とか悪戯とかならちょっとやった事はある。 「敵の反応はもう残っていません」 「あの女の人達は遠くに向かってます!」 M.O.M.O.が付け足すように言うと 「そいつは重畳」 「チョウジョウ? あまり聞きませんね、その言葉」 聞き慣れない言葉に唯が不思議がっていると、 「“極めて喜ばしい事”または“満足である事”。 「古代語……?」 「この娘、カラクリのようじゃの」 「正確にはアンドロイド、ですよ。 小牟の言葉に対して唯が訂正を入れる。 「何でここにいるのか聞きたいが、 「はい……」 シオンが力無く返事する中で、 「零児、どうするのじゃ?」 「全員森羅の本部に連れて行くしかないだろ。 「……あたしも、入ってます?」 その言葉に対して唯は冷や汗気味に質問する。 「あの、大丈夫ですか?」 「だ、大丈夫……。ちょっと今日の自分を恨みたくなっただけです」 そういえば運勢占いが悪かったなぁ、と思い出す。 「俺は有栖零児、こっちは小牟だ。 「ウヅキです。シオン・ウヅキ。 「……SF、だな」 零児は額に手を当てて思わず呟いてしまう。 「で、結局どうするんですか?」 「本部に向かう、って言いたいとこなんだが 何処だろう? 「近くのゲーセンや茶店に忍び込んでからでもえぇじゃろ?」 「忍び込む意味が分かりません」 素早くツッコミを入れるKOS-MOSに、 「こやつをハリセンで叩いてよいか?」 「駄目ですってば……」 シオンが力なくツッコミを入れた。 「……」 誰も、いない。 「!!?」 唯がそれに驚いていると、 「アレって、ポケモンのスイクン……?」 青色で四本足の獣、 『あの娘、ユーアか……? それに反応するかのごとく、 『ご名答。全ては順調に動き出している。 『まあな、だが勘違いするな。 そう言いながらスイクンは空を見上げる。 『破滅の雷と結晶の炎は?』 『ライコウとエンテイの事か。 『そうか。それでは、私はコレで……』 門番はそう言うとその場から消える。
次回【バトルミュージカル】
後書き
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ほぼナムカプの内容と同じのようで創作ならではのダブルユニット崩しや
オリカビ(オリジナルカービィ)や伝説ポケモンのスイクンが登場など違う展開。
さしずめ、NAMCO×CAPCOM+NINTENDOってとこですね。
鎌鼬の三段オチには笑いました。
恋恋さんありがとう御座いました。