「ヒューゴに利用されているだけだって言うのに……!!」

 

 

「ワッフゥ! 何だか面白そうじゃんか!」

 

 

「サビーヌ。……オイラは“英雄”じゃない、“反逆者”なんだ」

 

 

「ギル、私……凄く嫌な予感がするの」

 

 

『意志がある剣を持つ者は、時の狭間が開く事を知るであろう』

 

 

ナムコXカプコン
第一話/2【運命と宿命の物語】

 

 

「……遅い」

腕を組んで誰かを待っているルーティは苛つきながら呟く。
それを聞いたスタンは苦笑しながら、
ルーティに向かって言う。

「遅い遅いってまだ約束の時間から10分しか……」

「じゅ〜っぶんよ! レディを待たせるなんて黄金の騎士も底が見えたわね!!」

完璧に煮え付いてしまったルーティを見ていて、
異世界トリップガールの冬香は
冷めた目で彼女を見ながらスタンに質問する。

「黄金の騎士って、いい加減系なの?」

「いや、どっちかっていうと約束は守る方だと思うけど……」

という事は何かの用事で来れなくなってるって事か。
冬香はそう瞬時に理解すると、
貰ったオレンジジュースをストローで飲むのを続ける。
その時スタンはルーティの後ろ辺りを見て言う。

「あっ、黄金の騎士!」

「えっ?! え、え〜とあたし達も今来たところで〜す!!
 もうっ、あたしったらせっかちさんで……
 おほ、おほほほほほ……ってあら?」

ルーティが慌てて背後を向くと、
さっきの自分の発言を取り消そうと慌てる。
……だが、そこに黄金の騎士はいなかった。
一瞬それに呆気に取られていたが
すぐに嘘だと気付いてスタンの方を向く。

「誰もいないじゃないの……、スタン! 騙したわね〜!?」

「ルーティは分かりやすすぎるんだよ」

苦笑するスタンに対してルーティが何よ、それ!と怒る。
その二人を見ていて冬香は唯の兄とその幼馴染の事を思い出して、
カップルって片方が素直じゃないのかなぁと考えてしまう。
その時、スタンの持っている剣……ディムロスが声を上げる。

『スタン! 敵が来るぞ!!』

「敵?!」

『ルーティ、早く!』

「言われなくても分かってるわよ!」

スタンとルーティは己のソーディアンであるディムロスとアトワイトを抜く。
いきなりのその行動に対して冬香は驚いて、
ストローから口を離すと思わず言葉に出してしまう。

「電波系?」

「「違う!!」」

ダブルツッコミに対して、なら変な独り言するなと冬香は呟く。
ソーディアンは意志を持つ剣なのだが、
その言葉が聞こえるのはソーディアンマスターのみ。
ってなわけで冬香にはソーディアンの言葉は聞こえなかったのだ。
その時、三体のグリーンスライムが地面から浮き出るように現れる。

「たかがスライムじゃないの……。
 良いわ、ストレス解消の相手にしてあげる!!」

ルーティはそう言うとアトワイトを持って、
グリーンスライムの内の一体の方に近づいていく。
それを見たスタンは苦笑しながら、
こっちに近づいてくる別のグリーンスライムの方に体を向ける。

「俺から離れないでよ、フユカ。
 君は戦えないだろうし……」

「んじゃ、お願いします」

スタンの言葉に冬香はあっさりそう言う中で、
自分の会社以上に強い神月財閥と三島財閥を思い出して
こっちのお嬢様や創氏なら簡単に倒しそうだなぁと考える。

「はぁっ!!」

ルーティは素早くグリーンスライムを滑り込むように、
左から右に切り込むと素早く蹴り上げて下から上にジャンプするように切る!!
その攻撃であっけなくグリーンスライムは消滅する。

「これくらいにしといてあげる!」

ルーティさん、既にグリーンスライムはノックアウトしています。

「おっと!!」

攻撃を仕掛けてきたらしいグリーンスライムが斜め上からジャンプしてきて、
スタンはその攻撃をディムロスでガードすると
左手をディムロスから離すと拳底のようにグリーンスライムに手を向けて……

「獅子戦吼!」

獅子の顔を持つ小さな波動を出して、グリーンスライムを攻撃する!
またもグリーンスライムはその攻撃だけで消滅する中で
スタンは呆気に盗られたように呟く。

「何か、弱すぎない?」

「確かにね。何時もならもうちょっと手ごたえがあるのに」

スタンの言葉にルーティが同意する中で、
冬香はドラクエなら当たり前に近い光景に不思議がる。
彼らの言葉ではここまで簡単にやられる事は無いの事。
という事は、このグリーンスライムは……一体……?

ドォォン!!

「!?」

冬香が考え事をしている中でいきなりの小さな爆発音が聞こえて、
慌てて音が聞こえた方に顔を向けると
そこにいた筈のグリーンスライムが消滅していて、
代わりに爆発跡がしっかりと残っている。
スタンとルーティに顔を向けるけれど、二人も驚いてるとこから違うようだ。
その時バイクの音と共に三人の近くに現れるのは、
赤色のバイクに乗った獣人……というよりマスコット二体。

「ちっ、手ごたえの無いモンスターだぜ」

片方は赤いジャケットを着た目つきが悪い黒い獣で、
こちらがバイクを捜査している中で
恐らく彼がグリーンスライムを倒したと思われる。

「あっちゃー……、もしかしてタイミング間違えた?」

その後ろに乗っている耳がやけに大きくて、
パックマンの着いた青い帽子を被った
こっちの方が愛らしい男の子の獣であった。
二体を見たルーティが思わず口に出してしまう。

「何でマーブルランドの住民がここに?」

「……この世界では獣人は普通みたいね」

内心パニックになりかけた冬香だったが、
急いで我を取り戻すと表面上では冷静に呟く。
銃火器はあまり似合わないと思うけれど
恐らくこの世界は剣と魔法の世界だろうと考える。
その時目つきの悪い獣がスタンとルーティを見て声を大きくして言う。

「あ? ったく、デートなら他所でやんな!」

「よせよ、ガンツ。悪いじゃん」

「まぁ、確かにカップルに見えるわよね。
 どっかの誰かさん達と違って無意識にラブラブじゃないけど」

二体の意見に対して冬香が腕を組みながら納得する中で、
ルーティが顔を真っ赤にして怒鳴る。

「で、ででデートぉ!?
 誰がこんな田舎者とデートなんか!!」

「顔を真っ赤にして否定してるとこからツンデレの可能性ありっと」

ルーティを見て、冬香がすぐさま推理すると同時に
恋華の知識が感染してきたなぁと思い溜息をつく。
スタンが冬香の言葉を聞いて疑問に思い、尋ねようとしたら……

「つんでれ? フユカ、それってどういう……」

「萌え要素の一つよ。これ以上の問い合わせは聞かないから」

言ったら切られるのは確実だと思うしね。
後からこの言葉を付け足すと、スタンは苦笑する。
ルーティは拳をグーにして怒りで体を震わせながら
ガンツと呼ばれた目つきの悪い獣を睨んでいる。

「まさか、あんた達も黄金の騎士に呼ばれたんじゃないでしょうね……?」

「え? どういう事?」

ルーティの疑問にもう一人の獣が不思議がると同時に、
魔法のような霧から三体の青い鎧を身につけた騎士……ブルーナイトが現れる。
それを見た一同は一斉に戦闘体制に入る。

「それぞれの説明は後だ。まずはこいつ等を倒そう!!」

「足、引っ張るんじゃねぇぞ!」

「それはこっちのセリフよ、ツリ目!!」

ガンツの言葉にルーティが喧嘩を売るように返事して、
それを聞いたもう一人の獣が慌てながら止めるように言う。

「ガンツ、間違ってもこの人達を撃たないでよ!?」

「クロノア、お前は馬鹿か? 賞金かかってねぇ相手にするわけねぇだろ。
 黄金の騎士が来るまでの暇つぶしだ、覚悟していけよ!」

「ワッフゥ! ウォーミングアップって奴だね!!」

クロノアと呼ばれた獣は元気に返事すると
バイクから降りてブルーナイトの方に走り出す。

「風のリング!」

一番近くにいたブルーナイトに風の力が宿ったリングを使って、
空気弾のようなものを発射するとブルーナイトは上へと飛ばされる。

「ビームジャノメ!」

素早くバリアーのような物を召還すると、
それを回転させて上にいるブルーナイトを削るように攻撃する!
たったそれだけでブルーナイトは消滅してしまう。

「やったぁ! 勝ったー!!」

「また弱いし……」

喜ぶクロノアをスルーして冬香は呆れてしまう。
ふと周りを見渡すと、全員あっと言う間に敵を倒していて
あまりの呆気なさに益々疑問が膨れる冬香。

「ちょっと、どういう事よ……。
 一体どうしてこんなに弱いの、こいつ等。
 ……こういうのって絶対に前座だから……
 どっかにボスがいるって事よね?」

「な、何をぶつくさ呟いてるの?」

「でもこれは雑魚の中の雑魚だから、
 恐らくもっと強い雑魚が出てくる筈……。
 グリーンスライムとブルーナイトを
 ドラクエで言うスライムとドラキーに分別するなら、
 恐らく出てくるのは……おおきづき?」

クロノアの質問すら耳に入ってない状態で、
変な考えも混ざりながらも推理する冬香。
そんな冬香を見た彼らの反応はというと……

「こいつの方が危ない奴じゃねぇか?」

「何か意味不明な単語出てるんだけど……」

「ルーティ、引いちゃ駄目だよ。確かに意味分かんないけどさ」

「ってかさ、どらくえって何?」

多少引いておりました。
その時、廃墟の塔の中からふざけたような声が聞こえてきた。

「おやおや〜、やっぱり不良品ではこんなに簡単にやられちゃいましたか」

「誰だ!!」

素早くその声に反応したのはスタンで、彼が声を上げると
塔の中からその者は姿を現した。
簡単に言ってしまえば巨大なピエロボール……、可愛げはあまり無い。
能面のような顔で笑いながらピエロボールは言う。

「始めまして、私はジョーカー。
 ドルアーガ様の命でちょっと見に来たのですが……
 ソーディアンマスター二人と変なガキンチョ三人だけとは。
 黄金の騎士がここに来るって聞いたのは嘘ですかねぇ?」

「え? 何で知ってるの?」

「クロノア、下手に返事をするな!
 どうやらあいつは……ドルアーガの手下みたいだぜ」

ガンツが二丁拳銃を取り出しながらクロノアに向かって説明すると、
ジョーカーと名乗ったピエロボールを睨みつける。
クロノアが少し考えた後、納得して言葉に出すのだが……

「あ、そっか! ドルアーガの事を尊敬してるみたいだしね!」

「そうじゃなくて、復活したってのがお約束でしょうが。
 ったくこんな時にボケるんじゃないわよ、このお馬鹿」

冬香が呆れたように訂正とツッコミを入れる中で、
ルーティがジョーカーに向かって怒鳴る。

「ちょっと! どういう事よ、ドルアーガが復活したって!!」

「そのまんまの意味ですよ。
 にしても皆様、強いですね〜」

「いや、向こうが弱すぎただけだって」

ジョーカーの言葉にスタンが苦笑する中で、
冬香はこのままじゃ意味がないと判断して
ジョーカーに向かって言おうとしたら……


「詳しく聞きたいな。ドルアーガが復活した理由を……」


スタンとは違う男性の声に、
冬香は種のあのキャラと声似てるなぁと暢気に考え、
一同が不思議がっているとジョーカー唯一人気付かずに呟く。

「おっ、ファンコールですか……。
 そんな事を言われると話したくなりますね〜」

ファンコールじゃないって。
ジョーカーを除いた全員が心の中でツッコミを入れた。
その後、あの男性の声が続けて言う。

「奴は、時の狭間に追いやられた筈だ……!」

「そのと〜り! ですが、その時の狭間が開いて……
 って、ちょっとちょっと待った〜!!」

思わぬ単語が出てきた事に
ジョーカーは慌てて会話を中断すると
声が聞こえてきた方に体を向けて冷たい声で問う。

「何故、その事を……?」

それに答えるように現れるのは、
青色のロッドを持った黒い髪の女性と
黄金の鎧に身を包んだ剣士の男性であった。
男性は確信したように呟く中、女性が呟いてしまう。

「やはり時の狭間は開放されていたのか……」

「ギル、時の鍵を盗み出したのは……」

「カイの予想で合っているだろうね」

ギルと呼ばれた男性、カイと呼ばれた女性。
それを聞いたスタンが声を上げる。

「黄金の騎士、ギルガメス!」

「もう一人の女性は……イシターの巫女のカイさん?」

どうやら二人の待ち合わせをしていた相手らしく、
スタンとルーティはそれぞれが誰かを呟く。
冬香はそれを聞きながらも呆れるように呟いた。

「あんな派手な鎧を着てればそりゃ黄金の騎士って言われるわよねぇ」

「まっ、そのおかげで狙いやすいですけどね」

「あんたに言ってない!!」

ジョーカーの言葉に素早く冬香はツッコミを入れる。
思わず亜樹と恋華のわざとかと思える発言を思い出してしまい、
ちょっとブルーになってしまう。

『だったら二階から飛び降りてハゲ校長を蹴るまでだ!!』

『言っておくが、さっきまで我が見ていたのはマニアックな18禁サイトだ』

少し胃が痛くなったような感覚に陥ったのは気のせいであろうか……。
その時ジョーカーがギルガメスを睨みつけながら、
先ほどと同じ冷たい声で言う。

「それにしても、あなたはもう引退したと聞きましたがねぇ……!」

「奴が存在する限り、僕は生涯現役なのさ。
 君の言葉のお陰で今回の事件……大体の見当はついたよ」

「ぐぬぬぬぬぬぬ!!」

ギルガメスの言葉にジョーカーが動揺を隠しきれない中で、
ふと空に顔を向けるとあるモノが目に移った。

「……おやおや、まさかあの滅びた世界にまで影響が出ているとは」

「何……?!」

ジョーカーの呟きを聞いて、ギルガメスとカイが驚きながら空に顔を向ける。
そこには翼を持たぬ桃色の小さな生命体が、
上空から彼らの光景を眺めていた。

「あれ……何?」

「俺が知るか。でも、あいつ等の言葉じゃありえないもんみてぇだがな」

「みたいね。あたしもあんなモンスター初めて見たわ」

「何か笑っているみたいだけど……って、フユカ?」

四人がその生命体を見てそれぞれの意見を話している中で、
スタンは冬香が目を見開いているのを見て話しかけようとしたら
冬香がポツリポツリとつぶやいていく。

「……なんで、ミュウがここにいるの?
 それ以前に……滅びた世界って、まさかポケモンの世界?
 可能性はありえそうね、実際私は今異世界にいるんだし。
 でも……一体どうして……」

滅びた世界と呼ばれているの?
生命体……ミュウの突然の出現に、
冬香は推理するけれど、世界の名称に困惑している。
そんな中でジョーカーが左手を口に当てて苦笑したように言う。

「こんなところで黄金の騎士とも戦いたくはないですし。
 あなたが戦いに参加するという事を確認出来てよかったですよ。
 それに……滅びた世界の神々の一体も目撃出来ましたからねぇ」

どうやらジョーカーの目的は、
単なる様子見でギルガメスが出るかどうかの確認だったようだ。
そのままその場から消え去ろうとしたら、ギルガメスがジョーカーに向かって言う。

「……ドルアーガに伝えてくれ。待っていろと」

その言葉にジョーカーは黙ったままギルガメスを見つめると、
そのまま何も言わずに消え去った。
消えたジョーカーを見て冬香はポツリと呟く。

「一応、戦闘終了って形になったって事かしら……?」

「一応はいらねぇよ。敵の大将はさっさと帰っちまったからよ」

その言葉がガンツに聞こえていたらしく、ツッコミを入れられた。
だが冬香にその言葉は聞こえておらず、
空にいるミュウが何時の間にか消えていた事に驚いていた。
モウ、ナニガドウナッテイルノカワカラナイ。

「……受け止めるしかないわね」

だが、これが現実だと言う事なのは間違いない。
冬香はギュッと誰にも気付かれないように拳を握った。

 

 

「戦い、終わっちゃったな」

「そうみたいだね。でも情報が入手出来たのは確かだ」

一同がいる場所とは少し離れた森の中。
そこからドルアーガの塔廃墟の戦いを眺めていた者がいた。
片方は悪魔のような紫頭巾と同じ色の全体タイツを身に付けた中世的な少女。
もう片方は金の軽めの鎧を身に付けた緑色の生命体、多分雄。
生命体の言葉に少女は呆れたように言う。

「そりゃ滅びた世界の神の一人や黄金の騎士が出てきたからな。
 ……クリノ、この戦いはきっと大きなものになると思う」

クリノと呼ばれた生命体は少女の方を向くと、
最初は顎に右手を当てるように言うと視線を彼女から外して言う。

「分かってるよ、サビーヌ。多分オイラ達の予想以上になるだろう。
 ……そうだろう? そこでこそこそ隠れている誰かさん」

え、とサビーヌと呼ばれた少女がクリノの視線の方を見る。
その時森の茂みの中から一匹の獣が現れる。

「俺は誰かさんじゃなくってライコウだっての!!
 ったく、こっちは向こうに出るタイミングを考えてたのに……」

クリノに呼ばれたように現れた獣。
それは黒の刺青のようなものを持つ黄色い四本足で歩き、
背に紫色の雲のようなものがあり顔を仮面で隠しているような獣であった。
……そう、それこそ獣が名乗ったとおり「ライコウ」だったのだ。
ライコウの言葉を聞いたサビーヌはある言葉が引っかかって質問する。

「向こう? ってことは黄金の騎士にでも用事があったのか?」

「あー、違う違う。前を見る者の様子見に来ただけだっちゅーの。
 これがあのお方のご命令じゃなかったらグッスリ寝てたってのに。
 ……いや、寝てる暇は無いか。色々とウザウザ連中存在するし」

「あんまりオイラ達が入れない話はしないでほしいんだけど……」

愚痴を零し始めたライコウにクリノは注意する。
それを言われたライコウはそれを中断すると今度はとんでもない事を言った。

「あっ、悪い悪い。そだ、ついでだから伝言頼んで良い?」

「「は?」」

その言葉にマヌケな声を出す二人。
ライコウはそんな事を気にも留めずに、
どこからともなく小さい黄色の袋を取り出しながら言う。

「ユーアに伝言。
 シギリアに限り無く近い人間が時と森の神に選ばれた。
 直にお前も門を通ってあそこに行く事になるから覚悟しておけ。
 はい、こんだけだから。ついでにこれはお守りとして渡してっちょ」

ライコウはそう言って袋をクリノに渡すと、
とんでもなく素早いスピードで飛んでいったのであった。
クリノとサビーヌはそれに呆然としてしまうが
急いで我を取り戻した。

「滅んだ世界まで入ってきてる……って事は」

「こりゃ相当やばくなってるな。ところでクリノ、ユーアが誰か分かるか?」

「いいや、僕も知らない。でも会う運命になるのは間違い無いだろうね」

サビーヌの質問にクリノはそう答えるとドルアーガの塔廃墟から別方向へと歩き出す。
それに対してサビーヌは何も言わずに彼を追いかける。

 

 

「黄金の騎士も歩き出した。幻想の力持つ者達は進み出した」

 

 

後書き


冬香「うわーっ、手抜き感バリバリ感じるわねー」
作者「ひどっ! 何でそーなるの!?」
ガンツ「戦闘を前回と違って思い切り手抜きしてたからだろが」
ルーティ「そうそう。それに前の二話と比べて短いし」
作者「いや、向こうが長すぎただけだからね」
スタン「ところでさ、何で滅びた世界の住民が……」
作者「トォップシークレットォ!! スタン君、それは教えられませんぞぉ!!」
冬香「手っ取り早く知りたい方は同時連載中のカオルを見てちょうだい」
クロノア「あっ、それじゃせめて敵が弱かった理由教えてよ!」
作者「ジョーカーが言ったとおり不良品だったからよ。詳しくは亜樹パートの二話で説明する」
サビーヌ「んで、俺とクリノが出なかった理由は?」
作者「ライコウと会わせる為……」
サビーヌ「本当に?」
作者「う……」
クリノ「サビーヌ、よしなよ。後で出番を出させればいい問題だから」
サビーヌ「あっ、そうか」
作者「え!? 何かクリノ、黒くない?!」
クリノ「え?」
サビーヌ「クリノはブラックサンドラになってないぞ?」
ルーティ「……すれ違ってない?」
ガンツ「多分どっちも意味を食い違えてるぜ、こりゃ」
作者「……ま、まぁ、いいや……」
冬香「って、ちょっともしかして今回の後書きこれだけ?」
作者「そんなところですな。んじゃ、次回は恋華パートいっきまーす!!」
冬香「うわっ、ハイテンションだ」



HPアップがものすごく遅れて申し訳ありません。
ゲーム序盤にあったクリノのセリフは対象的でツボっていたので
それが入っててちょっと嬉しい気分がしました。
へぇ〜!ギルガメスの声が種のあの人とは気がつきませんでした(鈍感)
亜樹と恋華って結構すごく濃いことやっちまってますな・・・
こりゃ冬香はツッコミ担当になりますわ。